AWA@TELL まいにち

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NIE全国大会、終わりました

2017年08月04日 | 日本語教育
そんなこんなで、今日は、午前11時から12時半まで、特別分科会「外国人児童生徒の日本語教育に活用するNIE」に参加しました。

最初は、NPO法人可児市国際交流協会「さつき教室」「かがやき教室」の生徒さんたちが登壇しました。義務教育年齢を超えた子供たちのための高校進学支援教室の生徒さんで、それぞれが自分の関心のあるスポーツを題材としたエクササイズを披露してくれて、私も前のほうでやっていましたが、多分、怪しい踊りにしか見えなかったと思います。

ドラクエかなんかのHPを吸い取る踊り、ね。

続いて、岐阜県可児市立蘇南中学校教諭の小川先生のご発表でした。

ご発表を簡単にまとめるのは難しいので、気になったキーワードを拾うと、「子供たちの自己肯定感」「自己有用感」、「自分で関心のある記事を選んで切り取る」といったものが挙げられます。どれも、子供たちの学習動機を維持するのに欠かせないものであり、自分のアイデンティティの確立に重要なものです。そういった配慮のある指導ができているだろうかと、自分自身の指導を振り返るきっかけをいただきました。

三番目は、岩倉市立南部中学校の加藤先生。岩倉市日本語・ポルトガル語適応指導教室の方です。岩倉市のNIEの取り組みは、学習指導要領にある内容をNIEの活動に絡めていくという視点で、常に、その子供たちの学年相当の学びと日本語指導とを重ねていくというところに特徴があります。学年相当の学びについては、頭から「無理」と決めてかかる先生方が一部にいらっしゃるだけに、このスタンスを守っている岩倉市のスタンスは、もっと多くの先生方に共有していただきたいところでした。子供たちの発表動画も面白かったです。

四番目は、東京都足立区立亀田小学校の藤方先生、北区立柳田小学校の藤方先生、お二人のご発表でした。
お二人とも、担任ということで、通常学級にいる外国人児童生徒の支援ということで、MIMの考え方も絡めてのお話がありました。

MIMについてはこちらを参照

打ち合わせの時間に、私もMIMの考え方が外国人児童生徒指導につながると思う、という個人的な感想を申し上げました。

今回、NPO,国際教室、適応指導教室、担任の先生、とことなる立場からの実践報告でしたが、どれもとても有意義なご活動のご発表でした。


というのも、NIEが、日本語指導が必要な子どもたちの教育に果たせる役割は小さくないと考えているからです。

東京新聞さんの取材でもお話したことですが、日本語能力を高めていくということは、日本語の語彙や文型だけを学ぶのではなく、それを使ってできることを増やすということです。

できること、というのは、「〇〇という文型が使える」というのではなく、その文型が適切に使える中で「◇◇について話ができる」ということです。

新聞は、そういった背景を学ぶことが出来、日本語を使っている社会のことを知ることのできる、とても重要な素材です。


先生方のご活動が、今後、5年、10年と積み重ねられ、子供たちの教育により一層の力添えをいただけるようになれば、と思いました。


今日は、つたない司会でしたが、90分、ぴったりに終えることが出来ました。

ご発表の皆さんだけでなく、会場からご質問くださった方々にも、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。





今日のネクタイはこれ。学生時代に親が買ってくれた西陣織。締めることないから、今日、ここで、というところで。


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