AWA@TELL まいにち

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シンポジウムの2日目

2006年02月14日 | 研究
シンポジウムの二日目は、一日目とうってかわって、最近撮影されものの上映です。先の大戦での有名なインパール作成に参加して帰還なさった方を映した映像は、実験的なものというコメントがありましたが、鬼気迫るものがありました。今、日本語を教えている学生の中にミャンマーの学生がいることもあって、強い関心を持って見ました。

二日目で一番印象に残ったのは、サハリン残留の人々の帰国事業(韓国へ)を扱ったものでした。
日本の敗戦後、日本国籍を失ったために、日本へ引き揚げて来られず、また、韓国と旧ソ連は国交がなかったため帰国も出来なかったという人達の話です。
映像の中で一人の老人が、「離散家族をなくすというが、この事業は離散家族を生む事業だ」といっていたのが非常に印象的でした。韓国への帰国が認められるのは、ある年齢以上の夫婦に限定されています。子供や孫はおいていかなければならないのです。戦争が終わって60年です。解決するための努力が、遅すぎたんですね。

南米への移民、朝鮮や満州への植民、そして、各地の残留日本人のことを考えると、屋根に上った後で梯子をはずされるということがあまりにも多いような気がしてなりません。NTTの電話利用権もそうですが、「無かったことにしよう」という結論に至るのが早すぎますし、容易に決断されます。
同じような制度を今後立ち上げるとき、どれだけの人が信じて応じていくでしょうか?なんか、戦後処理の話とNTTの電話利用権の話は関係ないようですが、この国の問題処理の仕方に通じるところがあるように思いました。

この日、インパール作戦を扱った映像に対して、戦争に対するコメントが出されました。コメントに対する応答が自分の期待と違っていたのでしょう、司会の方がシンポジウムのテーマにと引き取られるほどのコメントでした。ただ、コメントは、もっと相手から情報が引き出せるような形で、自分が何を聞きたいのかが分かるような形でした方が伝わりやすく、発展的な質疑応答になると思いました。
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2 コメント

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Unknown (崔吉城)
2006-03-22 07:30:26
 日本映像民俗学会の状況を紹介してくれて、有難うございます。今出版を向けて考えている中参考になります。出版には是非参加してください。
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コメントありがとうございます (管理人)
2006-03-22 09:00:22
崔先生、コメント、ありがとうございます。

出版のお話、詳しいことが決まりましたら、是非お知らせ下さい。

またお目にかかれるのを楽しみにしています。
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