AWA@TELL まいにち

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行ったことがあります。

2016年06月25日 | 日本語教育
3年生の実習。

この日、「○○したことがあります」という文型を扱いました。

「経験」を表す表現だということを、媒介語を使わず、例文やシチュエーションから気づかせようという前提で、教案をいろいろ考えてきてくれます。

教員が「○○したことがあります」をきちんと分析できていれば、的確な例文が複数示せるわけですし、学習者の気づきで学んだことは、教えられたことよりも定着がいいということもあり、ずーっと、こんな形で実習の指導をしているのですが、

今回は、「板書」について、盲点があったと反省。


いや、小中学校での教育実習であれば、「指導案」の中に「板書計画」というものが入るのが通常なのですが、

消したり、動かしたりが多いので、板書については、おおよその話しか聞いていなかったのです。

ああ、誤解を避けるとすれば、板書計画を丁寧に作ってくる学生さんもいて、この段階では板書はこうなっています、みたいなことを言ってくれる学生さんには、それに対応した指導をしています。


今回は、

 ( た 形 )ことがあります。

と板書していたんです。


板書に至るまでに、今日の学習項目が経験を言う表現であるということを理解させ、

動詞の「た形」を作る練習をカードを使って行い、


次に、「た形 + ことがあります」を機械的に作るドリルを始めたんですよ。


実習生さんは、教壇で緊張の面持ち。

ドリルをしている様子を見ていると、何か、ほかの学習者と違う発言をしている人がいる。

実習生さんは気づかない。


誰だ~?と思いつつ、学習者さんの一人一人の後ろに立つと、ある一人が、


「食べます!」

    「たべたけい ことがあります」

「飲みます!」

    「のんだけい ことがあります」


と、「た形」の「けい」まで、一緒に行っていることが判明。



 授業をいったんストップしてもらい、形の確認作業をしてもらいました。


 日本語の先生を始めて20年近いのですが、こんなのは初めて。


と、妻に話したら、妻は結構経験しているとかで、まだまだ知らないことは多いなーと思ったのでした。


 予想の斜め上、とは毎度のことではあるのですが。








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