AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

南山大学の今期の非常勤は来週で終わり

2018年05月22日 | 日本語教育
南山大学で、第一クォーターの期間、「日本語教育史」の授業を担当させていただいています。

2時間連続の授業なので、長めの映像を見ることもできます。

これまで、戦前の映画を見たり、ドキュメンタリーを見て戦前と今とを繋げて考えられるようにしたり、現在撮影された映画を見ながら、当時がどう描かれているのかを考えたり、という授業をしてきました。

前にもここに書いたかと思いますが、

本を読んで得られる知識は本を読めばいいので、授業ではなるべくその背景にあるもの、私自身が調べてわかったこと、私自身がその問題について何を根拠にどう考えているのかをお話しすることにしています。

昨日の授業は、先週見た「セデックバレ」という台湾の映画を見つつ、蕃人と呼ばれていた人たちに対する日本語教育をと取り上げ、当時の教科書を紹介しながら始めました。そこから、師範教育の様子、教育実習録や実際の授業の指導案を一緒に見ました。そして、それに続いて、ラジオ放送で行われていた日本語講座について、シンガポール、華北、朝鮮、南洋諸島のテキストを紹介しながら、なんの目的で日本語教育が進められていたのか、を具体的な事例から紹介しました。

この後は、捷解新語のコピーも配布して

日本語学習が日本語教育に変化する。
日本語教育が、一部の選ばれた人のものから、植民地住民に強制される段階、そして学びたい人が学ぶいま、という変化についてお話ししつつ、

今は、学びたい人が学ぶ、という形かもしれないけど、きちんと学ぶ場がどれほど作られているのか、また、その背景には、日本語力がなければ待遇の良い職場がないという状況があるのではないのか、という問題意識に持って行きました。

植民地住民に強制されていた時の方が、日本語教育の場はあったのかもしれません。そして、日本語ができるということが、自分の未来を切り開く、という、単純な自分のキャリアアップの方法とリンクできていたのかもしれませんね。

今の方が、複雑なんじゃないかな。

時間配分を間違ってしまって、終わりが散々だったのですが、来週、これまでのことをまとめながら、最後の授業になります。
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