AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

学生の相談

2006年11月16日 | 日本語教育
昨日、学生が相談に来ました。
毎年、とは言わないまでも、良くある相談です。

日本語は、決して特別難しい言語ではありません。
発音も5母音で多くはありません。アラビア語圏の学生にとっては3母音を5母音にするのですから、ちと厄介ですが、英語圏にしても、中国語圏にしても、それぞれの母語の干渉はあるにせよ、学習を断念するほどの困難ではありません。

文法構造にしても、英語を初めとする良く知られている外国語とはかなり趣が異なりますが、日本語と文法構造が近似している言語は、お隣の韓国語を始め、モンゴル語や満州語など言語の数だけで言えば、英語のような語順の言語よりも多いのです。

難しいというなら、表記法でしょうねえ。ひらがな、カタカナで100誓い文字を勉強した挙句、まだ新聞は読めない。漢字は、というと小学校レベルでも1000近いわけですから、覚えるのも大変。加えて、いつそれを使うのかというところまで考えると、気が遠くなるかもしれません。

で、時々来る学生の相談が、また大変。

いわく、「教室の中で、何をしているのか全く分からないというのは、生まれて初めてだ」。

僕なんか、高校の数学はてきめんこれでしたが、気持ちは良く分かります。
昨日は、彼がその原因を何だと思っているのか、そして、どうして欲しいのかをゆっくり英語でしたが聞きました。
対応できること、できないことがあります。対応できることは、翌日、つまり今日から、もう実行する予定です。

彼が自宅でどんな学習をするのか、それも確認しました。
クラスの中で分からないのですから、復習は無理です。ノートの取りようが無いわけですから。とったところで、何を書いたのか、分かっていないと思います。

そんなことも気を配りながら、前日の準備、授業中のことなど、話をしました。

この学生のように、「わかっていないんだ」と言ってくれる学生は嬉しいです。分かろうとしているのですし、自分がどう努力したらいいのか、とアドバイスを求めてくるわけですから。

11名のクラスでは、十分な練習時間がありません。2人であれば、10分練習できることが4人なら5分、8人なら2分、16人なら1分になります。

彼らが毎日の授業を無駄だと感じないよう、工夫していきたいと思います。

がんばらなくちゃ。
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