AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

子どもの日本語教育研究会

2015年11月23日 | 日本語教育
今回の出張のもう一つの目玉は、冒頭の研究会参加でした。

日本語指導が必要な子供たちに特化した教員を要請するとすれば、どのようなカリキュラムが必要なのか、現場の先生方のお話を聞いて参考にしようと思ったわけです。





お話を聞いたり、質問をさせていただいたりして、やっぱりそうだったか、と釈然としない思いになったのは、教員の専門性の話です。


日本語教育の知識がある教員を現場は求めている、という話はよく聞きますが、

愛知教育大学では、私が在学していた時ももちろんのこと、もう25年近く中学高校の英語または国語の免許を持った教員を輩出しています。

同窓会名簿を見ても、かなりの数の教員がいるようです。

小学校免許を取ったという後輩も多数。


でも、今のところ、私がかかわった小中学校で、日本語指導に当たっている後輩にあったことがない。


今日は、教育委員会の先生がおいでになったので、日本語教育を専攻していたということを意識した人事異動が行われているのでしょうか?とおたずねしてみました。

その先生の市では、講師採用の方であれば、講師登録の際の特記事項に記す形で認識できて声をかけるということはある、というお返事でしたが、愛知県同様、教員採用試験の場では、日本語教育を専攻していたということを伝えるのは、面接のとき以外ないわけで、そうしたところで、選考に影響を及ぼすことはないようです。

学校現場の先生にも、同僚の先生が日本語教育を専攻していたということを知る機会があるでしょうか? とおたずねしたのですが、これも、「まずない」というお返事でした。


これから、愛知教育大学で、日本語教育を専攻した小学校教員を毎年数十名卒業させても、普通の教員採用試験で合格して教員になることはもちろんですが、採用された後、専門性が生かせるポジションが与えられるというわけではないようで、なんというか、とても無駄なことをしているような気になってきました。


現場でそういう教員を欲しているのであれば、採用後にその専門性が生かせる人事管理ができそうなものなのですが。



と、とりあえず、愚痴ってみました。



多くの方の置かれている状況や、現状をお聞きすることができ、私自身が持っていた問題意識がそれほど大きくずれてはいないことがわかったのが、今後のカリキュラム作りの励みになりました。

一方で、やりたいことと、やらなくちゃいけないことは山ほどあるのに、大学の卒業認定であったり、免許状に必要な科目と科を考えると、その何分の一にしかならない時間で何を教え、何を捨てなければならないのか、大きく悩むことになることも、再認識しました。




さて。


どうしたものか。



悩ましいものです。
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