AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

明日の公開講座

2006年12月01日 | 研究
明日はいよいよ公開講座の当日です。
資料などは運び終わりました。

お聞かせする音楽の選曲をまだ悩んでいます。

日本語教育の歴史は、日本の近代史と重なります。
加えて、言語を教育するというのは、現在を含め、多分に政治的な背景があります。

ですが、公開講座では、戦争責任だとか、日本の植民地支配に対する責任などという話はしていません。
これは、私の研究のスタンスと同じです。
研究者は、研究対象に対する善悪の判断を容易に下すべきではないと思うからです。資料の収集も分析も、できるかぎり中立の立場で見なければ、偏った資料収集や研究の展開になってしまいます。

まして、研究者ではない学生や一般の方は、活字になっているものや研究者の発言をそのまま信じてしまう可能性が少なからずあります。

そういった先入観を与えるような発言はしたくないのです。

まず知ること、知った上で、自分の価値判断を下すのは自由だと思います。
公開講座での話は、良かったとか悪かったとか、そういうお話はしません。
ご存知でないことをお話し、ご存知のことがあれば教えていただきます。

私は戦争中の体験を実体験としては持っていません。
あの戦争中の体験に対して善悪の価値判断を間違いなく下しうるのは、経験者だけだと思います。人によって善悪の価値判断が異なるのも、仕方がないことだと思うのです。

研究者は、その発言を資料をそろえることで検証していくことが使命だと思っています。

何でこんな話を書き始めたのかというと、1970年代に出版された写真集に使用されていた写真、まだ確認していないのですが、どこかで見た記憶が。
今日見たその1970年代に出版された写真集の写真のキャプションと、私の記憶にあるその写真のキャプションが随分違うような気がして。

写真は真実ですが、そこに書かれているキャプションの客観性というのは、ちょっと疑ってみる必要がありそうです。

疑い始めたらきりがないのですが、そんなことを思ったもので。

明日はどうなるかなあ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映像の力 | トップ | 事務局の皆さんの作品展 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

研究」カテゴリの最新記事