AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

先生、僕は外国人だから。。。

2007年07月06日 | 日本語教育
日本語の作文を指導していたのですが、学生が、こういいました。

「先生、僕は外国人だから、先生の言う事を理解するのは無理です。ニュアンスなんて、分からない」

それは当然ですよ。

授業で、自分の国の昔話を書いてもらっています。
その中で、「お坊さん」「坊主」「僧侶」のどれを使うのが適当か、なんて事を自分で考えろなんていってないわけですよ。当てはまりそうな語彙を一つしか知らない学生同士が集まっていろんな語彙を出し合う、その語彙のどれが適当かを調べてみる、というのが授業でやっていることですから、ニュアンスを分かれなんていってないのよ。

硬い日本語、やわらかい日本語なんていう、そんなのも分かってくれといっているのではないのですよ。

僕が彼にいったのは上のようなこと、それから、彼の作文の抱えている問題。

「義兄弟の契りを結んでしまった」という文、「~てしまった」という文型を使う以上、特別の意味が生じるでしょ?
「義兄弟の契りを結んだ」と「結んでしまった」では全然状況が違うのですよ。

どうして「~てしまった」を選んだのか、それを尋ねたら上の彼の言葉が出てきました。でもねえ、これは、ニュアンスの問題じゃなく、初級文型の理解の問題。

「義兄弟の契りを結ぶことになった」「結ぶことにした」「結ぶようになった」「結ぶようにした」、この辺りも、中級段階で違いが分かっていなければならないのです。

日本人の友達は、みんな文法的な間違いはないといったといっていましたが、単文レベルで大丈夫でも、文章になったら適切ではないことも多々あります。間違っちゃいないのですから、「分かる?」と聞かれれば「分かる」と答えるに決まってます。



語彙の選択

単文レベルの文法事項(文型など)

文章としての体裁、構成

授業でみんなとやっているのは、語彙の選択の部分、添削して書き直しを過大にしているのは、真ん中の部分、今回の補習でやったのは最後の部分です。
「外国人だから」を理由にできるのは、「語彙の選択」だけですよ。

大変だろうけどね、頑張ろうよ、もう少しだから。
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1 コメント

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昔話 (きょ)
2007-07-07 12:25:13
なるほど!そうですよね。ニュアンス変わりますもんね。でも、ちょっとした違いで受身っぽくなったり、無理やりやらされた感がでたり、ただの過去形になったり、いろいろプラスされてますね。
おもしろい。
きっと本人は必死+????なんでしょうけど^^;

また授業にお邪魔します!
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