「日本語教育学入門」で、自分では4つの柱を立てているのですが、その中の一つ、「日本と世界のかかわりを知る」ということで、一つの番組を見てもらいました。徳島大学で担当していた「国際交流の扉を拓く」でも学生さんに見てもらった番組です。ETV特集の「アジア留学生が見た明治日本」というものです。
大まかな流れを言いますと、明治以降、日清、日露の二つの戦争を経て、日本がアジア諸国から頼られ、日本に破れた中国からの留学生ですら、日本に学ぶことで国を立て直そうと日本に好意を抱いていたという時期から、日本がアジア諸国の独立を守るという方向ではなく、西欧列強と同様にアジアを植民地としていくという進路を選択したことから、アジア諸国から反感を得るまでの過程を中国、ベトナムの留学生の言動を元に紹介したものです。
今から100年前、留学しようとした人たちは、国のそれぞれのエリートですよね。幕末日本から西欧諸国に派遣された人たちと同様に。そういう人たちが反日感情を抱いて帰ったということは、母国の政治、経済を引っ張る人材が反日的になるということを意味するわけです。今の日本の留学生受け入れ問題と重なるところがあります。
ま、それはそれとして、100人近い受講生なので、100枚近い、視聴感想をようやく読み終わりました。
大学の授業ですから、何かを丸暗記して、それがテストに出るなんてことは、あまりありませんな。自分の知識や教養を増やして、自分が判断するための、また、問題を解決するための考え方、手段を身につけるために授業を受けるわけです。外国語の授業だって、日本だけではない、他の価値観をもった人たちの意見をも参考にできるようにと二つの外国語を学ぶわけですから。
何がいいたいかというと、DVDを見て「面白かった」とか「知らなかった」とかで終わってほしくないということです。みなさんに見せたDVDの内容が本当に正しかったのか、そこから考えてほしいわけです。あくまで自分で調べ、考えるきっかけを提供しただけのことです。
以前にも書きましたが、1時間のインタビューをして、30分の番組に編集した場合、真実が伝わっているのか、ということをかんがえてみましょう。
1時間のものが半分になっている、というだけで、すべてが伝わっているかという疑問が当然ありますね。編集者の「意図」が反映されるはずです。それ以前のインタビューでも、する側がどんな質問をするか、そこでもう答える側の意思がすべて伝わる状況ではないということが分かります。仮に、答える側の人が1時間好きにしゃべる、編集も答える側の人が行う、としても、その放送を見た人がどう感じるか、どう理解するかは人それぞれです。
インタビューされる人、する人、編集する人、見る人、少なくともこれだけの人がかかわるわけです。情報操作があるというわけではありませんが、善意に基づく行為だけ期待しても、100パーセント伝わるかどうかは怪しいところです。加えて、答える人が100パーセント正しいことを言っているのか、これも疑おうと思えば、疑えます。この人の意見が、上に書いたような結果放送された番組に基づいているのではないかと思い始めると、際限が無いことになります。
そこで、自分で調べるわけです。
日本語でかかれたものだけ見てもさまざまな意見を見つけると思います。
大学で学ぶ二つの言語で書かれたものを読んでみると、また違う意見を目にすることでしょう。
書かれたものが見つからなかったらどうしましょうか。
今度は自分の足で話しを聞きに行くわけです。
大学での勉強は、そんなもんだと思いますよ。
感想を読みながら、そんなふうに感じました。
共感したり、反感を抱いたり、の感想はたくさんあったのですが、番組の内容自体は、みんな受け入れているんですよね。内容自体への疑問、というものは見かけなかったように思いましたもので。
大まかな流れを言いますと、明治以降、日清、日露の二つの戦争を経て、日本がアジア諸国から頼られ、日本に破れた中国からの留学生ですら、日本に学ぶことで国を立て直そうと日本に好意を抱いていたという時期から、日本がアジア諸国の独立を守るという方向ではなく、西欧列強と同様にアジアを植民地としていくという進路を選択したことから、アジア諸国から反感を得るまでの過程を中国、ベトナムの留学生の言動を元に紹介したものです。
今から100年前、留学しようとした人たちは、国のそれぞれのエリートですよね。幕末日本から西欧諸国に派遣された人たちと同様に。そういう人たちが反日感情を抱いて帰ったということは、母国の政治、経済を引っ張る人材が反日的になるということを意味するわけです。今の日本の留学生受け入れ問題と重なるところがあります。
ま、それはそれとして、100人近い受講生なので、100枚近い、視聴感想をようやく読み終わりました。
大学の授業ですから、何かを丸暗記して、それがテストに出るなんてことは、あまりありませんな。自分の知識や教養を増やして、自分が判断するための、また、問題を解決するための考え方、手段を身につけるために授業を受けるわけです。外国語の授業だって、日本だけではない、他の価値観をもった人たちの意見をも参考にできるようにと二つの外国語を学ぶわけですから。
何がいいたいかというと、DVDを見て「面白かった」とか「知らなかった」とかで終わってほしくないということです。みなさんに見せたDVDの内容が本当に正しかったのか、そこから考えてほしいわけです。あくまで自分で調べ、考えるきっかけを提供しただけのことです。
以前にも書きましたが、1時間のインタビューをして、30分の番組に編集した場合、真実が伝わっているのか、ということをかんがえてみましょう。
1時間のものが半分になっている、というだけで、すべてが伝わっているかという疑問が当然ありますね。編集者の「意図」が反映されるはずです。それ以前のインタビューでも、する側がどんな質問をするか、そこでもう答える側の意思がすべて伝わる状況ではないということが分かります。仮に、答える側の人が1時間好きにしゃべる、編集も答える側の人が行う、としても、その放送を見た人がどう感じるか、どう理解するかは人それぞれです。
インタビューされる人、する人、編集する人、見る人、少なくともこれだけの人がかかわるわけです。情報操作があるというわけではありませんが、善意に基づく行為だけ期待しても、100パーセント伝わるかどうかは怪しいところです。加えて、答える人が100パーセント正しいことを言っているのか、これも疑おうと思えば、疑えます。この人の意見が、上に書いたような結果放送された番組に基づいているのではないかと思い始めると、際限が無いことになります。
そこで、自分で調べるわけです。
日本語でかかれたものだけ見てもさまざまな意見を見つけると思います。
大学で学ぶ二つの言語で書かれたものを読んでみると、また違う意見を目にすることでしょう。
書かれたものが見つからなかったらどうしましょうか。
今度は自分の足で話しを聞きに行くわけです。
大学での勉強は、そんなもんだと思いますよ。
感想を読みながら、そんなふうに感じました。
共感したり、反感を抱いたり、の感想はたくさんあったのですが、番組の内容自体は、みんな受け入れているんですよね。内容自体への疑問、というものは見かけなかったように思いましたもので。