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ひがし茶屋街は 昼と夜は別の顔 @『十月亭』

 


 ひがし茶屋街は、いまや金沢を代表する人気スポットです。休日の昼間は通勤電車並みの混雑です。新幹線ができたらこの混雑にさらに拍車がかかるでしょう。それ、別に悪いことではありませんよね。



 ところがこの東山1丁目、夜になるとぱったりと人通りが途絶えてしまいます。それはお土産店などは夜は営業していないことや、食事をする店も高級店?はあるものに、北陸のおいしい魚を安く食せる「居酒屋風」な店がないことが原因でしょうか。これも別に悪いことではないよね。いや、むしろ、この東山1丁目の地元の人は、むしろそれを望んでいるようにすら見受けられます。



 商売上の利益は 昼間に観光客からしっかりと頂き、夜は料理人として納得のいく仕事を、また東山の文化を守れる範囲内で、少数の固定客を相手に営む、この夜のしっとりとした茶屋街の雰囲気を壊されたくない・・・そんな風に思っているんじゃないでしょうか。



 そんな東山1丁目の『十月亭』に、先日の休日前に伺いました。店自体は別に歴史あるものではなく、ニューカマーですが、なにせその建物は江戸自体のものですから、店内の雰囲気はもうホント、泉鏡花の世界です。



 靴を脱いで上がると 中央にまっすくな長い廊下があり、左手の障子の向こうはカウンター席、右手が庭と個室のお座敷です。今日はこの個室お願いしました。座敷といっても掘りごたつ式です。こたつは床暖房でした。長方形のテーブルは6人がけでしょうか?。それを今日は2人で利用させていただいています(個室料はひとり500円という超良心的価格!)。



 座敷は広めの坪庭に面しています。雪が積もりいい感じです。料理は10000円コースをお願いしました。予約時に「地元客か県外からの客か」を聞かれました。県外客なら治部煮などの加賀料理もでるようで。



 飲み物メニューを渡されましたが、日本酒、焼酎、ビールにワインとなんでもありますが、なんと値段の表示はありません。しかも日本酒は吟醸酒、大吟醸のオンパレード、これ、美味しい酒を飲むのに値段など無粋なことを考えなくてもいい配慮かな。じゃせかっくですから「瑞秀(みずほ)」から始めましょうか。



 出てきた酒は、陶器の徳利ではなく、徳利型のガラスのフラスコのようなものでした。それを氷水をいれた小判型の桶にいれて冷やしています。まるでワインですね。猪口はこれも陶器ではなく切り子のガラス細工です。酒はどの種類もおいしく、結局5種類5本のフラスコ?が並びました。ちなみに大吟醸「瑞秀」は 後日調べると720ml瓶10,000円でした。まあ普通の酒では、この店に雰囲気に負けてしまいますね。



 そして特筆すべきは、女将さんの客をリラックスさせる絶妙のトークです。これこの店のもう一つのウリということですね。この女将さんと話したくて全国から通う常連さんも多いのではないでしょうか。店の建物がどんなに歴史的建造物であったとしても、結局、「店は人」ですね。料理の器を客の前に並べるため手を伸ばした時の、着物がこすれる「シュッ」というかすかな音が、いかにもこの街の雰囲気にあいます。



 この日は 懐石料理×2 冷酒×5 で〆て33900円でした。いい店です。また伺いますね。

↓お店の全景


↓個室からのお庭


↓ひがし茶屋街の夜って、実際はこれくらいの「暗さ」ですね。
写真では明るく撮影することもできますが・・



 
明日の日曜日 ブログお休みします 

 

 

 

 

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