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硝子戸の内には・・


 西国のお殿様が、明治になって失業?し、故郷に戻ってきて住んだお屋敷とやらを訪ねた。
 
 昔はどの家にも ガラス戸がったね。もちろん木の枠の戸。そのガラスもきれいな平面ではなく、微妙にゆがみがあったりしていた。

 外の夏の強い日差しと対照的に、仄暗い屋内は、意外とひんやりとして、そのなかから、外の風景を何気に眺めていると あっという間に時間が過ぎ去ってしまうね。

月のある夜などには、ガラス戸越しに、月明かりに照らされた雲や、月も星も 寝ながら見ることもできた。風邪が強い日は、戸がガタガタと音を立て、子どもにとっては 少し怖かったね。

 今は、みんなアルミサッシの窓になってしまい、防音も防寒も完ぺきになった分、部屋で感じる味わいはなくなったね。



夜の床に 寝ながら見ゆる ガラス戸の

         外あきらかに 月ふけわたる
 (正岡子規)
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