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GW中に読んだ本② 『歴史の屑拾い』(藤原辰史)

 

 GW中に読んだ本2冊目は、藤原辰史の『歴史の屑拾い』です。著者の藤原さんは、京大人文科学研究所の先生で1976年生まれ(まだ40代、若い)。専門は「食と農の現代史」とのこと。

 

 この本は、某雑誌に2年に渡って連載したエッセイをまとめたものですが、当然ながら氏の学問の根っこにあるものを、エッセイの形で著したものです。なによりこの書名が、この本の内容を物語っています。

 

「正史と言う大きな歴史からこぼれ落ちた外史や野史のかけらを拾い集めるのは、もとの持ち主の代わりに新しい持ち主たちを探して渡すため」

 

「ごみを出すには匿名だから、捨てられたごみには、捨てた人間の卑しさも善良さもそのままあらわれる。ごみには生活者の潜在意識がもっともあらわれる」などなど・・。

 

 正史からこぼれ落ちた “屑” を丁寧に拾い上げ、耳を傾ければ、名もなき人々の歓喜も慟哭も、聞こえてくるということなんだろうね。

 

 

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