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当事者とともに生きる @ 渡辺京ニ 『死民と日常』

 


 正月休みに読んだ本です。まあ あんまり正月ってぽい本ではないけどね。


 水俣病って 僕が小学生の時は毎日の様に報道されていた様な気がする。他の公害闘争と異なり、妙にドロドロとした印象が子供心にありました。今はもうマスコミ的には過去の問題ですねえ。でも現地の当事者は まったく持って過去の問題ではないのだとおもいます。


 この本の前半は、著者である渡辺氏の1970年前後に水俣闘争にかかわった際の小論を載せています。「いやあ~ こんな抽象的観念的な脳みその中でこねくり回したような文章、久しぶりに読んだあ」というのが偽らざる印象。でもまあ確かに、70年代の学生運動では、こんな文章が氾濫していました。


 でもこの本の「真骨頂」は、後半の「水俣から訴えられたこと」という講演録ですね。これ実は、1990年に渡辺氏が講演した際のテープがたまたま発見され、今回初めて活字になったものですが、渡辺氏の「私的水俣闘争史」みないな長い講演です。


 患者当事者ではないけど、患者に寄り添おうとした氏の苦闘の記録ですね。当然、共産党含めた既存政党には厳しい批判が述べられています。まあそれは「時代の熱」みたいなもんかな。


 どうしても政党は「市民のみなさん」と呼びかけますが(それは今でも変わっていないけれど)、ここでいう「市民」って「有権者」の事ですよねえ。「被害者のみなさん!!」と呼びかけることは、確かに少ないね。昔も今も。

 

 

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