金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
『夕暮れに夜明けの歌を』@奈倉有里
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高校卒業後、単身ロシアに渡り、ロシアの大学生となって 西暦2000年代を普通の市民としてロシアで暮らし学んだ若い女性の記録です。
ちょうど1997年の香港玄関を前後する数年間を、香港の普通の大学生として生活した星野博美さんの『転がる香港に苔は生えない』のような本ですね。
『夕暮れに夜明けの歌を』は以下の30の章に分かれていて、いずれの章もその冒頭に、ロシアの現代小説から引いた味わい深いセリフが掲載されています。
1 未知なる恍惚
2 バイオリン弾きの故郷
3 合言葉は「バイシュンフ!」
4 レーニン像とディスコ
5 お城の学校、言葉の魔法
6 殺人事件と神様
7 インガの大事な因果の話
8 サーカスの少年は星を掴みたい
9 見えるのに変えられない未来
10 法秩序を担えば法は犯せる
11 六十七歩の縮めかた
12 巨匠と……
13 マルガリータ
14 酔いどれ先生の文学研究入門
15 ひとときの平穏
16 豪邸のニャーニャ
17 種明かしと新たな謎
18 オーリャの探した真実
19 恋心の育ちかた
20 ギリャイおじさんのモスクワ
21 権威と抵抗と復活と……
22 愚かな心よ、高鳴るな
23 ゲルツェンの鐘が鳴る
24 文学大学恋愛事件
25 レナータか、ニーナか
26 生きよ、愛せよ
27 言葉と断絶
28 クリミアと創生主
29 灰色にもさまざまな色がある
30 大切な内緒話
今、ロシア国内で反戦デモが広がり、政府が弾圧しても、拡大してゆく「健全な」市民社会の側面と、独裁者を生み出してしまう政治体制の両側面が浮き彫りになっていますね。でもこの『夕暮れに夜明けの歌を』を読むと、ロシアも普通の国なんだと思えます。「だった」と言ったほうがいいかな。
結局この著者の言いたいことは “「分断する」言葉ではなく、「つなぐ」言葉を求めて” なんだろうな
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