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生活部こそ最大の政治部 @ 『わけあり記者』三浦耕喜


中日新聞記者の三浦耕喜さんの「わけあり記者人生」をまとめた本です。

 京大出身で、ドイツ特派員までしたものの、クラッシャー上司に潰されうつ病で休職、復職はしたものの、両親がともに要介護状態となり、仕事と両親の介護の日々に忙殺、そうするうちに、自身もパーキンソン病を発病。

 クラッシャー上司と出会わなければ、今ごろ、それなりに出世して、それなりに満ち足りた人生を送っていたのかもしれませんが、現在は、中日新聞の地方支社で生活部の記者を、病気と付き合いながらしています。そこでの実感は「生活部こそ最大の政治部だ」ということ。

 「人間としての苦悩に鈍感な記者が、“国民のため”とか“弱者のため“とか書いて、なんと薄っぺらなことか」「とくとくと政局の見通しを語り、政治家とのコネを自慢する記者ほど、悩む人間に語る言葉をもたない」と喝破します。(P47) 

 クラッシャー上司とのバトルの模様も、まるで生中継のように再現されています。扱っているテーマは どれも「今どき」のもので、どれも深刻なんですが、読んでなぜか、微笑んでしまします。そこが、著者の「人間観」と「筆の力」でしょうね。

 実は、三浦記者とは、直接会ったことはありませんが、かつて電話取材を受けたことがあります。なので全く知らない中では、ないもので。

 どの会社でも「わけあり社員」はいます。そういった人たちも活躍できるような会社に「脱皮」しないと、世の中はもう成り立たなくなりますね。
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