梨
救世主は、突然現れた。そう、頭から離れなかった「ねずみ捕り未解決問題」! テラオの兄さんと言ってももう、れっきとしたおじさん。いやっ、高齢者からみれば「お兄さん」その、お兄さんに毎年、友人から梨が送られてくる。その梨を私達「てんごの会」の数人は、チャッカリ横流しして、頂いている。ありがとうございます。
そのテラオの兄さんが「おるんかー?」と汚い祖谷弁で玄関を開けた。ドアを開けると梨を二個持って、立っていた。「嬉しい!有難う」私は、キレイナ標準語で御礼を言った。テラオの兄さんの顔に、一瞬チェック模様のねずみ捕りの箱が、何故か浮かんだ!また、また、天からの声が私に降りてきた。ような気がした。私は必死でかわいらしく叫んだ。「箱、ねずみ捕りの箱、捨てて!」梨を両手に持ちながら、人差し指はしっかりと車庫を指指していた。テラオの兄さんは、車庫に向けて歩きながら、「あーこれか~」発見した喜びに声が、高鳴っていた。私は、やっぱりキレイナ標準語で、「捨ててー捨ててー」と叫んだ。「これ、腐っとるぞ」横の谷に不法投棄したテラオの兄さんの声は、しっかりと確認した。この会話だけをラジオで流していたら、どんな番組になるんだろう?不法投棄は、いけない事。人間として、どーかと思う。今回は、主人の初盆ということで、神様に許して頂こう。テラオの兄さんは車に乗り込みながら、「たまらんわ~~ 」とブツブツ言っていたが、あれは、きっと長く続き過ぎている、独身生活を嘆いて、つい、口にした独り言なんだろう。そんな呟きも聞き逃さない私はなんて寛容な人間なんだろう。親に感謝しよう。とにかく、ねずみ捕りと絶縁出来た。ずっと悪い想像をしていたから、スッキリした。あのねずみ捕りに、臭いを嗅いで、猫が近付く、猫が顔を入れる!猫は、ねずみ捕りの箱をくっつけながら、車庫で暴れる!音が車庫に響く!すぐ前のおばちゃんが、窓を開けて叫ぶ!「何かアッタン~何~何~」私は、その時、なんて答えたら良いんだろう?そんな果てしない悪い想像をしていたものだから、テラオの兄さん、有難うございました。何よりも、梨を送ってくれた友人のNさん、ありがとう。あの梨がなければ、私は永遠にチェックの箱を見ながら、泣いていました。夕立の雨の音、ミンミン蝉の音。夏が少しずつ、遠ざかって行く。合掌
救世主は、突然現れた。そう、頭から離れなかった「ねずみ捕り未解決問題」! テラオの兄さんと言ってももう、れっきとしたおじさん。いやっ、高齢者からみれば「お兄さん」その、お兄さんに毎年、友人から梨が送られてくる。その梨を私達「てんごの会」の数人は、チャッカリ横流しして、頂いている。ありがとうございます。
そのテラオの兄さんが「おるんかー?」と汚い祖谷弁で玄関を開けた。ドアを開けると梨を二個持って、立っていた。「嬉しい!有難う」私は、キレイナ標準語で御礼を言った。テラオの兄さんの顔に、一瞬チェック模様のねずみ捕りの箱が、何故か浮かんだ!また、また、天からの声が私に降りてきた。ような気がした。私は必死でかわいらしく叫んだ。「箱、ねずみ捕りの箱、捨てて!」梨を両手に持ちながら、人差し指はしっかりと車庫を指指していた。テラオの兄さんは、車庫に向けて歩きながら、「あーこれか~」発見した喜びに声が、高鳴っていた。私は、やっぱりキレイナ標準語で、「捨ててー捨ててー」と叫んだ。「これ、腐っとるぞ」横の谷に不法投棄したテラオの兄さんの声は、しっかりと確認した。この会話だけをラジオで流していたら、どんな番組になるんだろう?不法投棄は、いけない事。人間として、どーかと思う。今回は、主人の初盆ということで、神様に許して頂こう。テラオの兄さんは車に乗り込みながら、「たまらんわ~~ 」とブツブツ言っていたが、あれは、きっと長く続き過ぎている、独身生活を嘆いて、つい、口にした独り言なんだろう。そんな呟きも聞き逃さない私はなんて寛容な人間なんだろう。親に感謝しよう。とにかく、ねずみ捕りと絶縁出来た。ずっと悪い想像をしていたから、スッキリした。あのねずみ捕りに、臭いを嗅いで、猫が近付く、猫が顔を入れる!猫は、ねずみ捕りの箱をくっつけながら、車庫で暴れる!音が車庫に響く!すぐ前のおばちゃんが、窓を開けて叫ぶ!「何かアッタン~何~何~」私は、その時、なんて答えたら良いんだろう?そんな果てしない悪い想像をしていたものだから、テラオの兄さん、有難うございました。何よりも、梨を送ってくれた友人のNさん、ありがとう。あの梨がなければ、私は永遠にチェックの箱を見ながら、泣いていました。夕立の雨の音、ミンミン蝉の音。夏が少しずつ、遠ざかって行く。合掌