瀬戸風峠を歩いて湯の町に下りるいつもの散歩道に水仙が咲いている
じっと眺めていると、ひとりなんだな、ふっと感じてしまう
道後に下りてから、なんとなく、近くの一草庵に寄ってみたくなった
案の定誰もいない、庵は静まり返っていた、暖かい冬の日なのに
山頭火も寒酒に酔うて眠っているようである
水仙を一輪挿してひとりかな
寒造酔ふて臥し寝の山頭火
筆に手に影の動きや寒燈下
啄みて餌の在り処の寒雀

山頭火終の住処 一草庵
[御幸寺山麓、御幸寺境内の隠宅である、高台で閑静で、家屋も土地も清らかである、山の景観も市街や
山野の遠望も佳い、すべての点に於いて私の分には過ぎたる栖家である、私は感泣して
すなほにつつましく私の寝床をここにこしらへた」四国遍路日記より



