秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷夏点描 暮らしの山里 山家「わとうち」庵での一日は至ってのんびり、涼味に浸って

2016年08月23日 | Weblog


標高700あまりの山家はお隣さんといっても、わが家に入る小道の上に一軒のみで
あり、もともと限界集落みたいなもので、林道を走る車など数えるほで、朝と夕方に
仕事の行きかえりに車の音が聞こえるだけで、まったく静かである

朝涼しいうちに、部屋中の窓を開け開けて、空気の入れ替えをして、布団、毛布を何枚も
干す仕事は手間はかかるが、閉まっている時間が長いだけに必要なことである
持ってきたベニヤを適当に切って、天井の撓んでいる場所に打っちゃって、補強して大工仕事はおわりだ

テレビ、ネット環境のない暮らしはシンプルである、ぼーとして、ゆっくりと、時間が過ぎてゆくのを味わいながら
庭の草花を眺めたり、杉の小枝を掃除したりで、朝の時間は
いつの間にか経っていく

太陽のきつい時間を見計らって、楽しみの一つになっているのが、素っ裸になって、庭で
水浴びをすることである
なにしろ、ひとの目を気にしないでいいからである、だれも来ることはない、林道を歩く
ひともいない、気兼ねなく、子供心に帰って、楽しむことができる

そうはいっても、長い時間は敵わない、山水だから、すぐに身体が冷えてきて、終いには
震えることもあるのである
スッキリした気分になって、お昼ねを楽しむのも、贅沢な時間である

とばりが降りはじめると、ひぐらしの鳴き声が止まりだして、代わりに秋虫が鳴きだす
いま、しきりに鳴いているのは馬追、スイッチョ~ンの声を聞きながら俳句の一句も
出てきそうな雰囲気、だが、そう簡単にはものごとははかどらずに

だんだんと瞼が閉じていくのを覚えて
サマーベットでいつの間にか転寝していた

夜なかに、目が覚めて、ゆめのなかで句作したらしい

馬追やしきりに鳴きて恋の事