はなのさかりの散りゆくを惜しみ、快晴の暖かい風に包まれて瀬戸風峠の自然に親しみ
山さくらのさかりを見届けようと四国の道をあるいた
むかしのひとの云う花はさくら、さくらは山さくらと云われるように、はなびらは云うに及ばず
なんといってもその若葉の気品、風格は格別に美しい質感を持って迫って来る
青空に映えるその葉の色、気品ある葉の形、はなんというか、名状し難い、色彩を帯びて風にゆれ
陽射しにゆれて、変化する様に感動してたたずむばかりであった
いま、ここに、さかりの山さくら、立ち去ったあとに突風に見舞われてちりゆくかも知れない
いま、ここのさかりを愛おしく思い、かみさんが手作りしたケーキを捧げて美味しくいただいた
つぎに歩きに来たときは花は散っていることだろう、不思議な色彩を放つ葉は色あせていることだろう
なんと時間はとてつもなくおそろしいものであり、どうしようもなくとめられないものであろうか





