アイスバーンを二時間近くかけて走り、無事に帰路に着く。かなり、無駄に走行する。
スイスイ走る勇気が無い。
速攻、手洗い。うがい。部屋着に着替え、ボイラーを点け、仕事着を洗濯機に投入、お風呂の蛇口を開ける。
お風呂の蛇口を開けると、なんだ?なんだ?お湯に勢いが無い。
人間でいうと、死にかかり状態だ。
正しくは瀕死と言う。
お風呂場のお湯だけは唯一、出ていたから、安心していた矢先、なんだ?何故なんだ。
早い話がお風呂に入れない。
で、台所の水を出したが水は出る。
水は出るが、お湯はやっぱり出ない。台所の湯は凍ったままなんだと諦めて、
お風呂のお湯も凍り始めたのだと、勝手に諦めた。
で、何を思ったのか、外回りの水道管のなんちゃって点検に外に出た。
時刻は、21時近く。
玄関をあけると、左手の積もった雪の中から、温泉地みたいな見事な湯気が上がっている!
なんなんだ?湯気ってなんで?
一瞬、頭が混乱したが、華麗に立ち上がる湯気の正体が、
『水道管の破裂』だと 判った。
とりあえず、勢いよく出るお湯を食い止めなければ、水のタンクが空になる。空になったら、万事アウトッ!
壁と水道管の隙間が狭いから、細いタオルを持ち出して、隙間からタオルを差し込んで巻きつける。
人間でいうと、止血法だ。
が、出血場所は大きい!
指先で、穴が確認できた。
溢れる熱湯!熱い!アツイ!アッチー!がタンクの水を守る為に、必死で格闘する。
ボイラーのスイッチを消すことさえ、浮かばなかった。
数分して、応急処置は終わった。外気温マイナス。
そして、次に台所に向かい、大鍋を3個だし、一気に蛇口から水を大量に貯める。
そして、洗濯機に向かい洗濯がすすぎの手前であることを確認し、いざっ、外に出て、
すぐ上にある水タンクのバルブを閉めにいく。充分な積雪だ。
ズボッズボッ、長靴が雪を這う。
自○隊の演習か?
滑りたくないから、必死で積もった雪を掴む。
ホースから水がタンクに落ちる音が響く。ギリギリセーフだった。
タンクさえ無事に貯水出来てたら、解凍した時に水は復活するのが早い。
中途半端に水が残ると、それがガチガチに凍って、厄介になる。
バルブを閉めて、上がったままの姿勢で、後ろ向きで這うように下りる。
再び雪を掴む。次いでに、茶の木も掴む。
ふと、イケイケギャルと、○ちゃんと、水しかけから帰る夜道で、イケイケギャルが滑って転んで
茶の木に引っ掛かった月の夜を思い出した。茶の木はやっぱりツオイッ!
で、全ての作業を終えて、とりあえずお茶を飲んで、村の水道屋さんに(土建業多種経営の社長さん)電話する。
○△□○⭐︎斯く斯く然然。お願いします。助けて下さい。
ヒーター線も確保しなければならないかも?と近くの電気屋のドラえもんにも電話をかけた。
○△□○△□○、暫し、ドラえもんの今冬の水道管破裂の村の実態を聞く。
ドラえもんは、水道管も工事しているんだと、始めて知った。何故か今夜は饒舌だ。
酔っているのか?話が長い。
で、水道のプロの社長さんが、本日早朝駆けつけて下さり、作業もスイスイと捗り、無事に水道管は修理完了。
水タンクのバルブを開けて、ボイラーのスイッチを入れる。
無事にスムーズに開通できたか?どこかで部分凍結していたらアウトっ!勇気を出して、台所とお風呂場の蛇口をひねる!
『出たー。出たー!ありがとうございますー!』
社長さんが、神様に見えた。
社長さんが時々口にする
『叔母さんには、世話になったけん』
叔母さんとは、ヴヴヴ星人のことだ。
私は覚えている。叔母さんは、自分の私有地で村の公共工事があると、
それがどこの土建屋さんでも、必ず言ってあげていた。
『かんまん。かんまん。どこでも使うてよ』
叔母さんは、いつも誰にでも、優しかった。権利も利益も口にしない。いつも寛容だった。
何十年の永い暮らしの中で、そうやって、誰にでも分け隔てなく徳を積んできた叔母さん。
目には見えない、形には残っていない叔母さんの生前の優しさが、誰かの記憶に温かく透明に住み続けている。
その恩恵を、私が頂いている。
空から降り注ぐ、優しさの雫みたいに。
水道管の修理が終わりかけた時、家の前をドラえもんが車で通りかかった。
車を止めて、運転席からドラえもんが、話しかけてきた。
「おはようございますー。菜っちゃん、今朝、携帯見たら、着信になっとったけど、僕に何か用事だったんかなあ〜?」
酒は飲んでも〜呑まれるな〜
祖谷は、水道管が破裂しなければ
指を火傷しなければ、素敵な場所でございます。
草草
スイスイ走る勇気が無い。
速攻、手洗い。うがい。部屋着に着替え、ボイラーを点け、仕事着を洗濯機に投入、お風呂の蛇口を開ける。
お風呂の蛇口を開けると、なんだ?なんだ?お湯に勢いが無い。
人間でいうと、死にかかり状態だ。
正しくは瀕死と言う。
お風呂場のお湯だけは唯一、出ていたから、安心していた矢先、なんだ?何故なんだ。
早い話がお風呂に入れない。
で、台所の水を出したが水は出る。
水は出るが、お湯はやっぱり出ない。台所の湯は凍ったままなんだと諦めて、
お風呂のお湯も凍り始めたのだと、勝手に諦めた。
で、何を思ったのか、外回りの水道管のなんちゃって点検に外に出た。
時刻は、21時近く。
玄関をあけると、左手の積もった雪の中から、温泉地みたいな見事な湯気が上がっている!
なんなんだ?湯気ってなんで?
一瞬、頭が混乱したが、華麗に立ち上がる湯気の正体が、
『水道管の破裂』だと 判った。
とりあえず、勢いよく出るお湯を食い止めなければ、水のタンクが空になる。空になったら、万事アウトッ!
壁と水道管の隙間が狭いから、細いタオルを持ち出して、隙間からタオルを差し込んで巻きつける。
人間でいうと、止血法だ。
が、出血場所は大きい!
指先で、穴が確認できた。
溢れる熱湯!熱い!アツイ!アッチー!がタンクの水を守る為に、必死で格闘する。
ボイラーのスイッチを消すことさえ、浮かばなかった。
数分して、応急処置は終わった。外気温マイナス。
そして、次に台所に向かい、大鍋を3個だし、一気に蛇口から水を大量に貯める。
そして、洗濯機に向かい洗濯がすすぎの手前であることを確認し、いざっ、外に出て、
すぐ上にある水タンクのバルブを閉めにいく。充分な積雪だ。
ズボッズボッ、長靴が雪を這う。
自○隊の演習か?
滑りたくないから、必死で積もった雪を掴む。
ホースから水がタンクに落ちる音が響く。ギリギリセーフだった。
タンクさえ無事に貯水出来てたら、解凍した時に水は復活するのが早い。
中途半端に水が残ると、それがガチガチに凍って、厄介になる。
バルブを閉めて、上がったままの姿勢で、後ろ向きで這うように下りる。
再び雪を掴む。次いでに、茶の木も掴む。
ふと、イケイケギャルと、○ちゃんと、水しかけから帰る夜道で、イケイケギャルが滑って転んで
茶の木に引っ掛かった月の夜を思い出した。茶の木はやっぱりツオイッ!
で、全ての作業を終えて、とりあえずお茶を飲んで、村の水道屋さんに(土建業多種経営の社長さん)電話する。
○△□○⭐︎斯く斯く然然。お願いします。助けて下さい。
ヒーター線も確保しなければならないかも?と近くの電気屋のドラえもんにも電話をかけた。
○△□○△□○、暫し、ドラえもんの今冬の水道管破裂の村の実態を聞く。
ドラえもんは、水道管も工事しているんだと、始めて知った。何故か今夜は饒舌だ。
酔っているのか?話が長い。
で、水道のプロの社長さんが、本日早朝駆けつけて下さり、作業もスイスイと捗り、無事に水道管は修理完了。
水タンクのバルブを開けて、ボイラーのスイッチを入れる。
無事にスムーズに開通できたか?どこかで部分凍結していたらアウトっ!勇気を出して、台所とお風呂場の蛇口をひねる!
『出たー。出たー!ありがとうございますー!』
社長さんが、神様に見えた。
社長さんが時々口にする
『叔母さんには、世話になったけん』
叔母さんとは、ヴヴヴ星人のことだ。
私は覚えている。叔母さんは、自分の私有地で村の公共工事があると、
それがどこの土建屋さんでも、必ず言ってあげていた。
『かんまん。かんまん。どこでも使うてよ』
叔母さんは、いつも誰にでも、優しかった。権利も利益も口にしない。いつも寛容だった。
何十年の永い暮らしの中で、そうやって、誰にでも分け隔てなく徳を積んできた叔母さん。
目には見えない、形には残っていない叔母さんの生前の優しさが、誰かの記憶に温かく透明に住み続けている。
その恩恵を、私が頂いている。
空から降り注ぐ、優しさの雫みたいに。
水道管の修理が終わりかけた時、家の前をドラえもんが車で通りかかった。
車を止めて、運転席からドラえもんが、話しかけてきた。
「おはようございますー。菜っちゃん、今朝、携帯見たら、着信になっとったけど、僕に何か用事だったんかなあ〜?」
酒は飲んでも〜呑まれるな〜
祖谷は、水道管が破裂しなければ
指を火傷しなければ、素敵な場所でございます。
草草