喜多院の本堂脇を抜ける。
改修の終わった松平大和守家廟所は、まだ立ち入り禁止だが、
この辺りには大木がならび、新緑のやわらかな緑が頭上を覆っている。

なんとなく見上げると、視界の端で何か動くものを感じた。
その方向に目を向けると、大木の上の方に人がいた。

ヘルメットをかぶり、ちょうど木に張り付くような体勢に見えた。
その人の上にも、別の人がいるようだった。

もう少し良く見える場所がないかと移動した。
ちょうど松平大和守家廟所のすぐ後ろあたりの木で、左の木はすでに剪定が終っているようだった。

人がのぼっている木は、ここからほぼ全体をみることができた。

ごつごつした太い幹が真っ直ぐに伸び、途中から大きく枝をひろげている。
その幹の頂上に2人、すこし下に先ほど見えた人がいた。
作業をする人の周囲には、ロープや帯状のものなどいろいろぶら下がっている。
枝と枝との間はかなり広く、移動するにも大変そうに見えた。
以前は、農家には大きな屋敷林があり、よく枝を切る人を見かけたが、いまはそれも少なくなり、大木の枝を切る風景もあまり目にすることがない。
ひさしぶりに大木の上で作業する人を見て懐かしく、ずっと見ていたい気もしたが時間がなく、写真を撮るだけで終ってしまった。
