ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

絽刺し

2009-11-17 10:59:48 | 職人芸
絽刺しのお仕事をされている職人さんにお目にかかる機会がありました。

絽刺しというのは、刺繍のカテゴリーに入ると思いますが、

絽 という本来夏着物の生地に刺繍糸を絽目に沿って刺して絵柄、文様を表現する高度な手作業の技です。

一針一針刺す手法で、絽目に沿って刺すので、色々な色の糸を混在混ぜ合わせて刺すことができないので、配色や、形、グラデーションの表現がとてもち密に計算されたものになります。

今、刺繍糸の生産も減っており、刺繍糸とというのは、春繭からしか取れないものだそうですが、入手ができなくなってきているのだそうです。
原料、材料、用具から、途絶えていく、というのは、どの工芸品にも共通して言える深刻な状況なのです。

この、絽刺しを、生地(帯地)に埋め込んで縫いこむ高度な技術で、フラットにするところにこの職人さんの特異性があります。

日本の工芸、職人技というのは、分業体制が伝統で、
この方は絽刺しをされますが、帯地を織る職人さん、帯地に絽刺しを縫い混む職人さん、糸を染める職人さん、それを帯に仕立てる職人さん

それぞれの連携があって、初めて品物になります。

そられを総合的にプロディースをする方という役目が、また重要なのです。

日本の工芸や芸術の分野において、歴史的にプロデューサーの役目の人に
光が当たることが多いですね。

本阿弥光悦しかり、千利休しかり…です。

まだまだ、工芸の職人さんは生きています、それが途絶えないように、今私たちが頑張らねば。