ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

ダビデくんのバッグ

2009-08-13 09:45:32 | 職人芸
若きバッグ職人 見城ダビデ くんに私の思い入れ素材 紙衣と紙布 でバッグを作ってもらいました。

ダビデくん と「くん」づけなのは、まだ彼が少年のような面立ちの若さだから。
でも、バッグはなかなか凄いです。

何が凄いか…

彼は現場の人で現場を知っているから。
彼のバッグは手作りの一点もの、バッグ作りも独学で体得したそうです。
そういう意味でも現場の人そのものですが
彼は、プロのメッセンジャーとして活躍していたので、メッセンジャーバッグの使い手としても現場のプロなのです。

メッセンジャーだった彼は、あるとき思いついて自分のメッセンジャーバッグを作ってみた。工夫や改良を重ねて自分で愛用しているうちに、仲間のメッセンジャーさんたちから欲しいといわれ作っているうちに、評判になってしまった、らしい。
すごいですねその心意気。

私は筋金入りの現場主義者。
作業場、工房、工場を見るのもそこで働く人も大好きです。
できることなら、興味のわくモノはできる工程からじっくり知りたい。
工場で工程を見せてもらうのは至上の喜びです。

私の仕事の原点は、伝統工芸の職人修行から出発しているのだから、それは刷り込まれているも同然。
手を動かし道具を使いこなしメンテナンスも工夫も…というのが現場です。
そういう現場から生まれたものしか、信じない。
そういう現場を知っているまたは知りたいと思っている人しか信じません。


使い手であり作り手でもあるダビデくんのバッグは、機能的で、小粋なデザインでありながらどこか骨太な感じを受けます。

温厚で華奢な彼が、ミシンに向かっている姿を想像する…かっこいいですね。


町工場で、職人のオジサンが汗を流して開発した素材を、こういう風に形にしてもらうと、とても嬉しい。
まだファーストサンプルですが、制作の背景や過程を話していると、もうそのまま鞄職人さんの思いを乗せて売ってもいいんじゃないかと…つい思ってしまう

…おいおい私のコンセプトはどこへ行った。しっかりせい。

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