舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

べつに恨みはないけれど

2008-12-09 02:44:09 | ダンス話&スタジオM
無事秋イベントがひととおり終わったところで、来年初頭のイベントのための衣装の準備が始まっております。

いつもの春イベント(骨髄バンクとか)だけならこんなに急いで次に入らなくてもいいんですが、何しろこの年始イベントが予想外に突然決まったもので、締め切りが一気に前倒しになってしまったのです
来年いよいよデビューする人もいるし産休明けの生徒さんもいるし、どうせだったら1月から新しい衣装を使えるようにしようと思ったからサア大変。
先日述べたように、アイディアが浮かばないマミちゃんは手がつけられなくなりますし(笑)。

幸いインスピレーションも無事下ったところで、洋服屋さんに製作をお願いしております。
例によって例のごとく私がデザイン画を描いてご説明。スカートの分量から生地の使い方まできっちり図解します。


ところで、我々が作る(マミちゃんが発案し私が描く)デザイン画にはほとんど必ず書き加えられる一言があります。
それは「生地をパウスカートのようには使わないで」という文言です。

いえ、べつにパウスカートに恨みがあるわけじゃないんですが(笑)、個人的遺恨を持っていると思われかねないほど執念深く毎回この言葉を刻んでおります。

我々はパウスカートに恨みはないけど、まあ素敵だとは思わないですな、ぶっちゃけ。

パウスカートはフラの指定レッスン着のように言われてるけど、我々はそう思いません。いつも書いておりますね。
その証拠?にレッスン時の見本役である我々はほとんどパウスカートを着用していません。パウスカートはフラにおいて重要な動きの幾つかを覆い隠してしまう(またはカムフラージュしてしまう)ため、見本の服装として適切ではないのです。
ということは、生徒さんたちも自分の動作をチェックするためにはパウスカートは必ずしも良くないというわけです。

そんな実用面以前に、パウスカートはダンサーを美しく見せる効果が皆無です
もちろん分量などに工夫を加えることによって、ある程度はマシにできます。でも所詮は「マシ」レベルであって、ダンサーを美しく見せるために最適なレベルまで高めるのは無理です。

この「工夫」が行き過ぎて形を変える(フレアスカートにする、ウェスト履きにするなど)にしたらそれはもはや「パウ」ではありません。そこまでしてパウに拘泥しなくても。
というわけで、我々はパウスカートとはなるたけ離れた場所で「ダンサーを美しく見せる衣装」を追求しているのです。

フラの衣装というと意味がどうのとか時代背景がこうのとかばかり言う人がとてもとても多いですが、そもそも美しくないことには意味がありません。
第一の目的はお客さまに見せることですからね。神聖な場所に捧げるためではなく(笑)。いや、捧げものとして踊るにしたって、意味的な正しさ云々より美しいものを捧げた方が神様だって喜ぶはずです。

美しく見せるためには第一にシルエットが美しいことが重要なわけですが、今回新しいグループの衣装を作ってみて、生地の入れ方も大きなウェイトを占めていると再認識しました。
同じ生地でも柄の入れ方によってまったく違ってきます。同じデザインで同じ生地なのに素敵かダサイかの命運が分れてしまうほどです。

どういう入れ方をすべきかは生地によって違いますので、たとえば或る生地では効果的だった入れ方も、他の生地で同じことをしたらその割じゃなかったということも多々あり得ます。
だから安直に二匹目のドジョウを試みるのではなく、自分のセンスに恃んで一つひとつの生地に相応しい入れ方を見つける必要があるのです。

マミちゃんは生地を見るとだいたいどういう入れ方が最適か即興で言い当てられますが、その代わり、私にその芸当が出来ないのを莫迦にします。
だからデザインを図解する時だって、不適切な柄の描き込み方をすりゃ容赦なくダメ出しされます(笑)。どうでもいいことに対しては感動的に無関心なくせに、自分の領域に対しては異常に細かいんだな、この人は。

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