仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

欲しいのならⅡ

2008年01月17日 17時14分08秒 | Weblog
たぶん「ベース」集まる人間は皆が痛んでいた。皆が恐れていた。もし、言葉を発したら、自分が何なのか、何者なのか、自分自身で知ることになる。自信なんかない。自信の持てる自分なんか、どこにもいない。そんな人間が「ベース」にいた。
それだけに、「ベース」にいる人間は、とてつもない集中力と、観察力、そして、深い洞察力を持っていた。一瞬の瞬きが意味があり、指の動きが、瞳の流れが、一つの呼吸が、今共有する時間と空気を支配しているのを感じていた。誰もが弱く、壊れそうなくらい脆く、美しかった。
仁を囲むその集団は、この共有感の中でその結束を固めていった。
闘争は静かに始まった。