人と違うことをすると叩かれる。そんなことがたくさんあると人と同じになろうと思うようになる。でも、それには才能が必要で、才能のない人間は外側に追いやられる。追いやられた人間が集まるのが「ベース」だった。仁の背中の絵の理由を知ることもそんなに意味のあることだとは思わなかった。仁が狙われ始めてから、いろんなやつらが「ベース」にやってきた。オマワリも
マサミの絵はお尻にあった。お尻の割れ目から両手を拡げるように、お尻を両手で鷲掴みにするみたいに蝶が羽を拡げていた。蝶というよりもパピオンかな。羽の先端がゼンマイみたいにグルグルまきになっていて、羽の中に丸い粒が小さいのから大きいのへ真ん中に向かって形を変え、色を変え、S字を描いていた。両方のお尻でシンメでなっていて腰の動きに合わせて羽ばたいた。マサミが自分でパンティーを下ろしたとき、もう一枚穿いているのかと思った。そのときは暗くてよく判らなかったけれど、マサミが上になって仁と愛し合っているとき、そのパピオンが激しく羽ばたいてとても綺麗だった。
あの時、誰も言葉を必要とせずにマサミを受け入れることができた。かすかな肩の震えや仁に絡めた腕の動き、涙の中の瞬き、そんな些細なもので僕らは感じることができた。ほんの微かな動きの中でここにいる人間が感じていることが理解できた。それが誰かであることよりも共有する感覚を愛していた。マサミは時々、フラッシュバックに襲われた。激しく震えて、焦点がなくなって、
寒い、寒い、サムイ、
と連呼した。そんな時、仁がマサミを抱いた。不思議なことに頂点までいけるとマサミは開放された。マサミは仁の隣に座るようになった。
あの時、誰も言葉を必要とせずにマサミを受け入れることができた。かすかな肩の震えや仁に絡めた腕の動き、涙の中の瞬き、そんな些細なもので僕らは感じることができた。ほんの微かな動きの中でここにいる人間が感じていることが理解できた。それが誰かであることよりも共有する感覚を愛していた。マサミは時々、フラッシュバックに襲われた。激しく震えて、焦点がなくなって、
寒い、寒い、サムイ、
と連呼した。そんな時、仁がマサミを抱いた。不思議なことに頂点までいけるとマサミは開放された。マサミは仁の隣に座るようになった。