車は走った。夜の臭いがしはじめた茶沢通りを抜け、国道二四六をくだり、大和市から藤沢街道に折れて七里ガ浜に向かった。大和市を通過しても、海の臭いなどしなかった。
「どこに行くの。ねえ。マサル、どこの海に行くの。」
ハルは不平とも、お願いとも取れる声で繰り返した。助手席にはマーがのっていた。マーはカセットケースから何本ものテープを取り出し、お目当ての一本を探した。
「ハハーン。」
マーはカーステレオにプリンスを差し込んだ。マサミと仁は後部座席でぴったりくっ付いて寝ていた。藤沢のガードをくぐったあたりから、海の微かな臭いがした。
「何か、感じるね。」
ハルが嬉しそうに言った。
「どこに行くの。ねえ。マサル、どこの海に行くの。」
ハルは不平とも、お願いとも取れる声で繰り返した。助手席にはマーがのっていた。マーはカセットケースから何本ものテープを取り出し、お目当ての一本を探した。
「ハハーン。」
マーはカーステレオにプリンスを差し込んだ。マサミと仁は後部座席でぴったりくっ付いて寝ていた。藤沢のガードをくぐったあたりから、海の微かな臭いがした。
「何か、感じるね。」
ハルが嬉しそうに言った。