仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

さて、その家のドアを開けるのはⅢ

2009年05月29日 17時27分01秒 | Weblog
 マサルは音の中にいた。ハルトカゲの接近に気付かなかった。素足の指がリズムを取っていた。マサルの足に何かが触れた。
・うん、・
そんなに気にしなかった。マサルの足を何かがなめた。というか、ハルトカゲがなめた。びっくりした。音は止まった。
「イター。」
ハルトカゲが噛んだ。
「何すんだよ。」
ハルトカゲがハルに戻った。
「あれ。」
「あれじゃないよ。」
「マサル。弾いて」
ハルのマサルを見上げる視線が潤んでいた。ハルはマサルの足に絡まってきた。
「噛まない。」
「うん。」
マサルは上体を起して足に絡まるハルの胸の感触を感じた。
・何だろう。・
その感覚が音を変えた。音に合わせるようにハルの手が動いた。ギターののっていない左足の腿の上に掌がのった。音に反応するように腿の上でダンスした。マサルは感じるままに音を続けた。ハルの指がトカゲの舌のように微妙な動きを始めた。ツンツンという感じでジーンズの上からマサル自身にも触れだした。イメージが音になって、音がハルの掌と指になってマサルにかえってくるような感じだった。
 マサル自身が反応し始めた。ハルの手がマサル自身を捕らえた。それでもマサルは音を止めなかった。ハルはジッパーを降ろし、自身を露わにした。