仁、そして、皆へ

そこから 聞こえる声
そして 今

その暗闇の臭いと住人5

2010年01月13日 16時05分01秒 | Weblog
「何かさあ、アングラっぽいよね。」
「アングラって何。」
「えー、なんていうか。」
「地下って感じかな。」
「ミサキはこんなの知らないよね。」
「ヒカルもかな。」
「マーはこんな感じの店でやったことあるの。」
「うーあんまりない。というか、ない。」
「そうよね。」
「東京にはたくさんあるのかしら。」
「何だろうライブハウスって感じじゃないし。」
「いいよ。ライブしようぜ。」
「賛成。」
そんなに飲む気にもなれずに皆は店を出た。幡ヶ谷の駅でハルたちを待った。しばらくしてハルたちが改札から出てきた。ヒデオは皆に気付くと顔をクチャクチャにして笑った。
「どうしたのよー。」
「はは、トラのパンツにした。」
「えー。」
皆が叫んだ。
「私もトラにしたわ。」
「面白いんだよ。最初は黒を探したんだけど、何か、プレゼント用でトラのパンツとブラとショーツがセットで売っていたの。」
「ははは、これで完璧だ。」
「何がだよー。」
「ずるいよ。二人だけで・・・・。」
皆は笑った。皆は今までの違和感が吹き飛んでいくのを感じた。
 ジミーさんの店のドアを開けた。