唐突にキーちゃんのサックスが消えた。サンちゃんのドラムがソロに入った。テクニックを感じた。キーちゃんの影が誰かと重なった。明りの中に黒いジャンパースカートのケバイ化粧の女の顔がフッと現れた。キーちゃんはその女とキスをするとサックスを持ったまま演奏スペースから出て行った。サンちゃんのソロは長かった。ソロなのか、独り言なのか、聞いている人がいることなど彼には関係ないようだった。サンちゃんが突然スティックをポンと投げ上げた。スティックはフロアータムとスネアに当り、床に落ちた。それを拾おうともしないでサンちゃんも演奏スペースから出て行った。
照明がいくぶん明るくなった。壁に張り付いた人が壺みたいなものにお香を突き刺し、臭いを独り占めするように足を組んで抱え込んでいた。ジミーさんが卓から近づいてきた。
「インターバル入れるから、そしたら、お願いね。」
「ハイ。どのくらいですか。」
「うー。」
「解りました。もう少ししたら準備、始めます。」
マーが答えた。
マーの右手はビールで濡れていた。一口飲んだだけのビールの缶は、グチョっという感じで潰れていた。
「マーちゃん、手、怪我してない。」
「えっ。」
怪我はしていなかったが、いくぶん服も濡れたいた。
「今日、俺からはじめていい。」
「自由。」
「でも、いい感じではいってよー。」
「どうする。」
「一度、外に出てから、準備しよう。」
ヒデオが先頭にたって、演奏スペースを出た。カウンターには人がお尻だけチョンと乗っける格好で二十人まではいかないが座っていた。
「どうして中に入らないんだろう。」
ヒカルがつぶやいた。サンちゃんもいた。男と女がサンちゃんを挟んでいた。少し偉そうなにしていた。
夜の臭いがしていた。星が少しだけ見えた。
照明がいくぶん明るくなった。壁に張り付いた人が壺みたいなものにお香を突き刺し、臭いを独り占めするように足を組んで抱え込んでいた。ジミーさんが卓から近づいてきた。
「インターバル入れるから、そしたら、お願いね。」
「ハイ。どのくらいですか。」
「うー。」
「解りました。もう少ししたら準備、始めます。」
マーが答えた。
マーの右手はビールで濡れていた。一口飲んだだけのビールの缶は、グチョっという感じで潰れていた。
「マーちゃん、手、怪我してない。」
「えっ。」
怪我はしていなかったが、いくぶん服も濡れたいた。
「今日、俺からはじめていい。」
「自由。」
「でも、いい感じではいってよー。」
「どうする。」
「一度、外に出てから、準備しよう。」
ヒデオが先頭にたって、演奏スペースを出た。カウンターには人がお尻だけチョンと乗っける格好で二十人まではいかないが座っていた。
「どうして中に入らないんだろう。」
ヒカルがつぶやいた。サンちゃんもいた。男と女がサンちゃんを挟んでいた。少し偉そうなにしていた。
夜の臭いがしていた。星が少しだけ見えた。