展開としては、単純な復讐もの系で、終始殴るか蹴るか刺すかの血みどろの描写がメインである。 舞台がインドなので、てっきり映画大国インドの作品だと思いきや、製作はユニバーサル・ピクチャーズ(米)で、アクションは「ジョンウィック」シリーズのスタッフ陣で固めている。但し、コロナ渦の影響から、撮影所はインドネシアに変更されたという。 どうりで、インドにしては(と言っては失礼だが)垢抜けしたアクションシーン . . . 本文を読む
どうしても、ボクシングをテーマにした映画は、舞台上の演出され過ぎたパンチの”撫で合い”になり、最後には感動と興奮を誘うものが多い様な気がする。 所詮はフィクションであり、興行的に成り立たないと映画産業は潰れる。が、こうした延々と続く殴り合いを美化し過ぎれば、違和感を感じなくもない。 勿論、戦争や紛争に比べれば、リング上の殴り合いとは言え、ボクシングは厳格なルールに守られた . . . 本文を読む
久しぶりに、アメリカ映画の底力と本気度を感じさせる作品に出会う。と思いきや、アメリカを舞台にしてはいるが、日本では劇場未公開のカナダ発の映画である。 てっきりハリウッド映画だと勘違いし、「オッペンハイマー」で裏切られたばかりだったので、いい意味で意外性を抱きながら思わず見入ってしまった。まるで、重厚なサウンドを聴いてる様で、心にズシンズシンと響く何かを感じてしまう。 ただ難点を言えば、幕切れが少 . . . 本文を読む
低予算のスリラー映画(英)で、原題は”OFENSIVE”と、直訳すれば”不愉快で目障りだ”となるが、まさにこの通りの展開であった。流石に、”オールド・リベンジ”ではB級映画っぽく、”OFENSIVE”との原題を知らなかったら、まず観る事はなかったろう。 勿論、若者による”親父刈り&rdqu . . . 本文を読む
「死を告げる女」(2022)で奇怪なキャスター役を演じた中堅女優のチョン・ウヒに惹かれ、彼女が出演した「悪の偶像」をアマプラで立て続けに見る。 まず前者では、苦労して掴んだメインキャスターの座は誰にも渡さないと、ライバルらを次々と蹴落とすも、実は娘は解離性同一症を患い、母はアル中で心はボロボロであった。 サイコ系ホラー映画との触れ込みだが、母娘の愛情と憎悪が入り混じった、悲しくも皮肉なヒューマン . . . 本文を読む
タイトルはシリアス感たっぷりだし、女優のイ・ハニさん目当てで見てしまった。 結果から言えば、ある程度は想定内だったが、権力を描くのは無理だと悟った。 勿論、”韓国最大の金融スキャンダルとされる実在の事件を元に巨大な利権に立ち向かう熱血検事の奮闘を描いた”チョン・ジヨン監督の勇気と覚悟には頭が下がるが、それ以外には全てが平均的すぎて、権力の何かを明確に感じる事もなかった。 . . . 本文を読む
最初から最後まで、オッペンハイマーを追い詰める事が目的の聴聞会ばっかで、ウンザリとアホ臭と、そして落胆と失望の180分間だった。 まさに”結果ありきのイカサマ”いや、”オッペンハイマーありきの凡作”に終止した。つまり、原爆投下の全ての責任をオッペンハイマーの弱みにつけ込み、覆い被せた。彼の水爆反対は原爆投下の責任には何ら関係ない事であるにも関わらず . . . 本文を読む
ここ数年は正月が至極苦痛になってきた。それに、地上波は酒と旅とグルメしか流さないし、BSは未だにショップ全盛で、CHを間違えると婆さんの大声が部屋中に響き渡る。 今年の正月は「孤独のグルメ」や「深夜食堂」や「酒場放浪記」などが特番扱いだったが、酒とグルメにはいい加減吐き気を覚える。更に、アマプラで日本の新作を幾つか見たが、どれも駄作に近いものだった。 そこで、何もする事もなく図書館で借りた「チョ . . . 本文を読む
結論から言えば、レビューの評価(3.2/5)よりもずっとよく出来たサスペンス・スリラーであったが、展開としては至極シンプルで、多少の不可解な所もあったが、最初から最後まで何とか気が散る事なく、見入る事ができた。 半年前、轢き逃げ事件で妻を亡くしたソジン(キム・ムヨル=写真右)は失意の中、1人娘のイェナと共に実家に戻り、年老いた両親と一緒に暮らしてたが、ある日、25年も前に行方不明になった妹ユジン . . . 本文を読む
”シビル・ウォー(Civil War)”とは”内戦”という意味で、アメリカでは”南北戦争”の事を指す。 1861年から4年以上も続いた内戦で、戦死者は両軍合わせて62万を数え、アメリカ史上最大の損害を与えた戦争となった。第2次世界大戦でのアメリカ軍の死者が40万だから、その規模の大きさが計り知れる。 つまり、”シ . . . 本文を読む