2012年と少し古い映画だが、原作の東野圭吾が自ら“シリーズ最高傑作”と太鼓判を推した作品である。 正直、多くは期待しなかったが、前半の豪華キャスト陣の気合が入った演技と雰囲気に、(東野ミステリーが好きでない)私も圧倒されてしまう。 ただ(彼の原作の映画はいつもそうだが)、後半に入るにつれ、東野圭吾の不透明な限界と不明瞭な矛盾が見え隠れする様になる。 東野ミステリーの限界 . . . 本文を読む
予告編で、その美しい景色にグイグイと惹きつけられ、思わず見入ってしまう。 結論から言えば、急失速的な作品に終わったと言えなくもない。 前半はともかく、途中からはとても良かったし、森の中の映像も美しく、セッティングも含め、全体のシーンとしても悪くはなかった。 ただ、オープニングで京一(船ヶ山哲)が自殺に失敗するシーンは致命的だった。失敗した事自体ではなく、失敗の仕方が短絡すぎて拙かったのだ。 &r . . . 本文を読む
映画「逃亡者」のショートストーリー版だが、4話完結という事で”普通”に楽しめた。 私が思うに、ドラマってもんはシンプルな展開で”普通”に楽しませてくれるものが理想だと思う。 昨今の国産の薄っぺらなサスペンスや推理モノみたいに、フラグを目一杯広げ、最後は辻褄が合わないままに、不可解で中途半端な幕切れでドラマを終える。 制作費と豪華なキャスト陣が無駄に . . . 本文を読む
”シリアの至宝”とも言われ、権力を象徴する芸術品“イシュタルの庭”を巡り、ヨーロッパを震撼させる殺人事件が発生する。デンマーク警察を筆頭に、ドイツ警察、ベルギー情報機関らによる合同捜査チームが、数十億円の価値がある芸術品を狙う国際テロ組織と難民襲撃殺人事件の真相を追う! ”国境を越えた捜査チームの活躍を大スケールで描く緊迫の・・・&rd . . . 本文を読む
正直、期待して見た映画でもなかった。 エクソシスト・シリーズのスピンオフ作品というイメージしかなかった。だが、いい意味で私の期待を裏切ってくれた作品でもあった。 ”信じる者”という邦題には少し首を傾げたが、原題は”The Exorcist: Believer”というから、そのまま直訳したものと推測できる。 世界的な大ヒットを記録し、空前のオカルトブ . . . 本文を読む
何気なくタイトルに惹かれて見たドラマだが、中途に心が重くなった。 多分、現実にはありえそうにもない典型の社会派サスペンスだが、作られ感の度が過ぎて、逆に底知れぬ怖さすら覚えた。まさに、”フィクションが現実を超える”とはこの事だろうか。孤独死か?それとも・・・ 小さい頃、理不尽な交通事故で弟を失い、父親は失踪し、家庭は崩壊する。更に、長男(弟)を溺愛していた母親は頭が狂って . . . 本文を読む
漫画家・きうちかずひろが、実名(木内一裕)で小説デヴューを果たした作品の映画化とあってか、アクション映画としては見応えがあったものの、サスペンスとしては漫画の領域を完全には抜け出てはいなかった様に思えた。 総資産1000億とも噂される経済界の大物・蜷川(山崎努)の孫娘が、清丸(藤原竜也)によって無残な形で殺害された。 ”この男を殺して下さい。お礼として10億円お支払いします&rdqu . . . 本文を読む
よく、”あの映画は原作よりツマらんかった”という声をしばし耳にする。 確かに、原作が良すぎれば、映画はそれには追いつけない。当然である。つまり、ドラマは現実離れした娯楽であり、小説は現実を超えたフィクションにある。 この作品も典型の”原作を超えられなかった”映画だが、かと言って凡作でもない。いやむしろ、秀作と言える。 私は”映画は原作と . . . 本文を読む
この手のノンフィクション系の作品は、真実の暴露や事実の再構築という売り文句で、観る者の同情や感動を誘う傾向にある。 故に、大きくヒットするか?誰も相手にしないか?となるが、本作は大成功を収めたと言っていい。 勿論、それが悪い筈もない。正義の訴えは認められるべきであり、正義を行使する事で悪事を働いた、特に権力者には厳しく罰せられるべきだ。 一方で、”ペンは剣よりも強し”の典 . . . 本文を読む
「インファナル・アフェア」(2003)で世界的にその名を知られるアンドリュー・ラウ監督による中国映画で、2018年に実際に起きた四川航空8633便不時着事故の映画化であるが、中国国内では何と450億円を超えるメガヒットとなった。 誘惑と脅しと虚構に弱い私だが、フライトモノにもとても弱いし、どんなレベルの作品でも、知らず内に引き込まれてしまうのだが、アンドリュー・ラウ監督と実話という事のみに惹かれ . . . 本文を読む