神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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第14回地球にやさしい中国茶交流会のお知らせ

2018-08-28 | 茶にまつわる文化・芸術
年に一度のお茶好きのためのお茶好きによるイベント「地球にやさしい中国茶交流会」、
今年は第14回を迎え、9月29日(土)と30日(日)に
東京浅草の東京都立産業貿易センター・台東館で開催されます。

ティーマーケットでは茶葉、茶器、グッズなど買えるほか、試飲のできるお店もあります。
ワンコイン茶席・ツーコイン茶席は当日茶席券を購入し、茶席に着いてお茶をいただく仕組みです。
その他、茶席イベント、テイスティングイベント、各種セミナーなど催しも盛りだくさん。
自由に茶器を持ち込んでお茶を飲める交流スペースもあります。

マーケットの充実とサービス向上のため、今年から入場料を設けるそうです。
1日券は1,000円、2日券は1500円となります。
入場券は当日購入のほか、公式サイトから事前に申し込むこともできるようです。

詳しくは「地球にやさしい中国茶交流会」の公式サイトをご参照ください。
https://ecochakai.jp/

********

前回のブログ記事「私たちの『茶味的麁相』」でもお伝えしましたが、
新刊『中国茶のこころ 茶味的麁相』を記念して
うらりんさんゆいさん、私の3名が29日にセミナー、30日にイベント茶席を開催いたします。

☆9月29日(土) 13:30~15:00
セミナー「新刊『中国茶のこころ』と茶家十職の世界」
於:地球にやさしい中国茶交流会 セミナーA会場(2階A会議室)
翻訳編集チームから見た茶人李曙韻氏と彼女の世界観を未公開写真を交えながらご紹介します。

☆9月30日(日)
第1回 11:00~12:00 / 第2回 13:00~14:00 / 第3回 14:30~15:30
※同一の内容で3回実施します。
ミニイベント「茶席『中国茶のこころ』〜泡茶の変遷」
於:地球にやさしい中国茶交流会 イベントA会場(4階メイン会場内左側奥)
本書では淹れ方や茶器の変遷に多くのページを割いています。
淹れ方の違いを楽しんで頂ければと思います。
淹れ手は翻訳編集チームの三名が務めます。

お申込みの受付は、「地球にやさしい中国茶交流会」の公式サイトから、
2018年8月29日21時よりスタートします。

会期中は、書籍販売ブースで新刊の販売もしております。

皆さまのご参加をお待ち申し上げております。
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私たちの『茶味的麁相』 Vol.5

2018-08-18 | 茶にまつわる文化・芸術
うらりんさんと菅さんにバトンを渡した後も更に細かい作業が続いていましたが、
長かった地道な仕事ももうすぐ終わりを迎えようとしています。

日本版のタイトルは『中国茶のこころ 茶味的麁相』に決まりました。
最初に聞いた時はピンとこなかったのですが、
「中国茶」という言葉はやはり欠かせませんし、
ひらがなの「こころ」には柔らかさと親しみやすさと懐の深さが感じられます。
いいタイトルだと思います。

こうして“私たち”の『茶味的麁相』は
中国茶のこころ 茶味的麁相』として9月21日に角川書店より出版される運びとなりました。


出版を記念してイベントも多数企画しています。


まずは9月29日(土)と30日(日)に東京・浅草で開催される「地球にやさしい中国茶交流会」に参加いたします。
広州からメイン翻訳のゆいさんが一時帰国してくれて、うらりんさんと私の3人が揃います。

29日は13:30~15:00に「新刊『中国茶のこころ』と茶家十職の世界」と題し、セミナーを行います。
本のご紹介だけでなく、著者李さんとお会いした時のエピソードをお話したり、
本には収めきれなかった「茶家十職」の茶席写真をプロジェクターを使ってお見せする予定です。
「茶家十職」のオリジナル茶もお出ししたいと思います。

30日はイベントスペースにて「『中国茶のこころ』~泡茶の変遷」と題し、
うらりんさん、ゆいさん、私の3名が『中国茶のこころ』に掲載されている淹れ方で茶席を担当します。
1時間で2席座っていただく予定です。

両日とも8月29日から予約開始とのことです。
詳細が決まりましたら、またこちらのブログでもご紹介させていただきます。


10月5日(金)と6日(土)には銀座SIXの蔦屋書店で
安藤雅信さんのセミナーと、安藤さん、うらりんさん、私の3名による茶席を企画中です。

10月7日(日)、8日(月)は白金台にて
安藤さん、うらりんさん、私の3名が淹れ手となって、出版記念茶会を行います。

蔦屋も白金台もお菓子はここのつさんにお願いする予定です。
どちらも詳細が決まり次第お知らせいたします。

本もイベントもどうぞよろしくお願いいたします。

(完)
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私たちの『茶味的麁相』 Vol.4

2018-08-16 | 茶にまつわる文化・芸術
チームが結成されてから最初の2年はスローな歩みでした。

その間にゆいさんが家の事情で広州にお引越しされましたが、
今の時代、メールやチャットでやり取りできるのは助かりました。

基本的なゆいさんの翻訳は最初の一年でほぼ完了していましたが、
その後の作業はなかなかスッキリとは終わりませんでした。
文章の練り直しだけでなく、訳注を作成したり、引用文の出典を調べたり、
次から次へと見直すことが増えていきます。


2年近くが過ぎた頃、安藤さんが奔走してくださり、出版社の目途がつきました。
KADOKAWAのIさんが担当でついてくださることになり
本のスタイルやページ数などが決まりました。

本格的にターボがかかったのは装丁デザイナーが決まってからでした。
安藤さんのご紹介で菅渉宇さんが引き受けてくださることになりました。
菅さんは茶の湯を嗜まれ、中国茶にも興味を持って取り組んでくださいました。


私自身の仕事が一番大変だったのはここ一年の秋から春にかけてだったかもしれません。

中国語を日本語に翻訳すると、文字数は1.5倍にはなってしまいます。
ページ数の関係から日本版では採用しない部分を抜き出し、
文章もできるだけ無駄を省くようにリライトしました。
それでも何度チェックしても、これでいいのだろうか?という不安が残ります。

菅さんがPDFで文字と写真を入れ込んでくださると本の体裁ができてきて、イメージも膨らみます。
そうなるとますます内容の粗が見えてきました。

ちゃんとした本になるのだろうか、と自信をなくしていた頃、
今年のお正月時代劇ドラマ「風雲児たち~蘭学革命篇」を観ました。

 江戸中期、史上初の西洋医学書の和訳に一心同体で取り組んだ前野良沢と杉田玄白のお話です。
 長崎に留学し、オランダ語を学んだ前野良沢が中心となって翻訳を進めますが、
 完璧を目指す良沢は何度も何度も書き直しては悩み、書き直しては悩み・・・
 このままでは解体新書が世に出るまでには何十年もかかってしまうと思った杉田玄白はフライング気味に一部を発表。
 結局刊行された「解体新書」には良沢の名は載らず、名声は玄白だけのものとなりました。
 それは良沢が自分では納得のいっていない解体新書に自分の名前を載せるのを拒んだためでした。

このドラマを観て、翻訳の難しさを共感すると共に、
どこかでGOサインを出さないとキリがない、というのも理解しました。

担当のIさんからの指摘もあり、
その後もう一度中国茶の初心者でもわかりやすく読みやすいように心掛けて全体をリライトしました。
声に出して読み、引っ掛かりがないかどうかを確かめながらの作業でした。

私の主要な仕事は終わり、あとは編集と校正に委ねることになりました。



(Vol.5へつづく)
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私たちの『茶味的麁相』 Vol.3

2018-08-15 | 茶にまつわる文化・芸術
願いを叶えるにはまず口に出さなければ始まらない。
そして、一歩を踏み出し行動しなければ前には進まない。
そんなことを実感しています。

ゆいさんがブログで決意を表明してくれたこと。
北本のギャラリーまで出かけ、在廊されていた安藤さんとお話できたこと。

(余談ですが、安藤さんの個展、早めに出かけたにも関わらず
北本に到着した時は既に整理券が配られ、
お店に入ったときにはめぼしいものはほとんど売り切れていました

この二つの出来事が揃わなければ“私たち”のチームは組まれなかったでしょう。

安藤さんからご相談をいただき、私はすぐにゆいさんとうらりんさんに連絡を取りました。

李さんの本は茶の知識がなければ正確に訳すのはとても難しいと思います。
独特な言い回しや引用も多く、中国茶に詳しく、中国語ネイティブのゆいさんは適任でした。

そして、「人澹如菊」「茶家十職」のことを知っている人がいるかどうかも鍵となります。
茶会に何度も参加し、李さんの生徒さんの知り合いも多いうらりんさんは編集者としての経験もあり、欠かせないと思いました。

私の役割はゆいさんが訳してくれた文章をこなれた日本語にすること。
中国語を日本語に訳した場合、どうしても漢文調の文章になりやすくなります。
それを客観的な立ち位置から原書のニュアンスから離れずに文を整えていくのが私の仕事でした。

李さんとのパイプが太く、出版関係にも知り合いの多い安藤さんが監修を務めてくださることになりました。

どうせなら出版までを視野に入れていこう、と“私たち”のプロジェクトは発進しました。


(Vol.4へつづく)



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私たちの『茶味的麁相』 Vol.2

2018-08-14 | 茶にまつわる文化・芸術
私が李曙韻氏と初めてお会いしたのは2014年6月、台北での「茶家十職」の茶会の時でした。
うらりんさんと台北旅行を企画中、偶然にも「茶家十職」の茶会告知を目にしたのです。

うらりんさんは10年以上前に李さんが日本の中国茶教室の招待で来日した際の講座に参加し、
その時から「李さんの後ろを追いかけてきた」というほどの李さんファンです。
既に「人澹如菊」時代の茶会にも何度か参加し、
そのお話を伺って、私も一度は参加してみたいと思っていました。

その時の茶会の様子はブログ記事にUPしています。

その頃は李さんは既に北京を本拠地としており台北には年に数回来るだけになっていましたが
うらりんさんのコネクションで台北の李さんのお弟子さんたち何名かとお会いすることができました。
この時から私にとって『茶味的麁相』の茶の世界が身近なものとなっていった気がします。


振り返れば2014年は“私たち”にとって節目となる年でした。

12月に茶友のゆいさんがブログ「茶語花香」で
『茶味的麁相』に感銘を受け、翻訳してみたい、と書かれているのを読みました。

時を同じくして、埼玉で開かれた安藤雅信さんの個展に出かけました。

安藤さんにお会いするのはその2年前に千葉の大網で開かれた個展以来でしたが、
当時は中国茶の茶器は李さんに依頼されて作っているけれど、
中国も台湾もまだ行ったことがない、とおっしゃっていました。

それが埼玉でお会いした時には「いいところで会った!」と言わんばかりの高揚ぶりで
前月に初めて訪れた北京のお話をしてくださいました。
「茶家十職」を始め、北京で目にした中国茶の世界に衝撃を受けたのだそうです。

そして数日後にメールをいただきました。
李さんの『茶味的麁相』を日本語で是非読みたいのだけれど協力してもらえないだろうか、
というご相談でした。


(Vol.3につづく)
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私たちの『茶味的麁相』 Vol.1

2018-08-13 | 茶にまつわる文化・芸術
4年近く取り組んできた『茶味的麁相』の翻訳と編集作業が終わりに近づいてきました。
この本への想いを少しずつ記録して行こうと思います。

『茶味的麁相』は中国茶の世界に常に新風を吹き込んでいる茶人・李曙韻氏が
2011年に台北で出版したエッセイ本です。
その後北京に居を移した李氏は2013年に同じ内容の簡体字版『茶味的初相」を上梓します。

この本については拙ブログでも記事にしたことがあります。
2012年末に台北で購入し、2013年3月、病気療養の折に読んだ感想です。


読んでみてまず印象的だったのは、
中国茶の茶事に携わる人への解説書でありながら、
とても文学的であり、哲学的であるということ。

明代・清代の茶書の引用も多く、茶を愛した文人たちのエピソードにも言及しています。
日本の茶文化やその歴史にも造詣が深く、日本の民芸運動の影響も感じます。
茶席写真もとても美しく、それまでの中国茶の本とは一線を画す芸術性を感じました。

そして、私がこの本で最も引き込まれたのはその根底に流れる精神性でした。

どんなことでも道を極めようとすれば、それなりの修行あるいは修練が必要です。

李氏は茶を人生の志と決め、茶文化の復興と普及に尽力されてきました。
茶に対する思いと茶人であることの覚悟がこの本には終始一貫して綴られています。

そのぶれない姿勢は日本の茶の湯や煎茶道だけではなく、全ての芸道に通じるところがあると感じます。



(Vol.2へつづく)








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中国語学科同期会

2017-10-01 | 茶にまつわる文化・芸術
今年は夏をあまり満喫しないうちに過ぎたような気がします。
そうこうしているうちにもう10月。

今日は大学の同期会でした。
中国語学科ということもあって、30代40代は海外に出ている人も多く、
卒業以来ずっと集まる機会がなかったのですが、
4年前から毎年同期会が開かれるようになりました。

商社やメーカーの海外駐在、マスコミでの海外特派員などの経験者、
大学で中国研究をしている方も数名いて
結婚後は海外在住経験がなかった私にとって彼らの話はとても刺激的です。

日本ではガラケーしか持っていないのに
中国に行くとスマホがないとタクシーも呼べないので仕方なく北京でスマホを買ったという話。

中国では日本に比べると数倍の速さでキャッシュレス社会へと移行している話。

日本に来る中国人はこれだけ増えているのに、日本人は中国へ行こうとしないので、
中国の現状を知らない日本人が増えているという話。
(私の周りはお茶好きなので中国へ行く人は多いですが)

お茶の世界から見てもここ数年の中国の変化は著しいものがありますが、
中国の成長は日本にいて想像するよりも遥かに速く、
人材のポテンシャルもパワーもそして財力も規模の大きさが違います。


今日、話の中でとても印象に残ったのが、
中国人と日本人では死生観が違う、というもの。

中国人は「歴史上、国に損害を与えた売国奴などは『死してなお余りある』と考え、
追悼したり、偲んだりするなどもってのほかと考える傾向」があります。
例えば失脚し弾劾されたまま死んだ人が、死後何年もたってから名誉回復されるというニュースを聞くことがありますよね。
日本人にはその意味が理解しにくいかもしれませんが、とても重要なことなのです。

それに対し、日本人はどれだけ重い罪を犯した人でも、死後にまでその罪を着せ続けることはしないような気がします。
こうした死生観の違いは日中関係にも大きく影響しているかもしれません。


最後に、同期で毎日新聞勤務のB氏が中国関係のコラムを書いている中のひとつの記事をご紹介します。
香港映画に見る20年
『ラブソング』と『十年』。
『ラブソング』は私が20年来ファンを続ける香港スター黎明の主演作、もう何回観たか分からないほど好きな映画です。
『十年』は今年日本で公開されたばかりの問題作。香港好きの方は必見です。


※トップ写真は同期会とは全く関係なく、最近友人のKちゃんからいただいた台湾の日出の月光餅乾・仲秋節バージョン。
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風姿花伝【秋の養生茶】講座

2017-08-15 | 茶にまつわる文化・芸術
先日、「茶文化空間・香流」で開かれた【秋の養生茶】講座に参加してきました。

講師は北京の『風姿花伝』サロンで中国茶講座や養生講座を指導していらっしゃる朱安那先生(ジョアンナ先生)。
日本でも季節ごとに来日され、講座を設けられているそうです。

先生は日本語も堪能で、パワフルでとても楽しい方。
季節と体調や体質に応じて飲むべき養生茶を教えていただきました。

立秋を過ぎた今、おススメの養生茶は
ジャスミン茶、菊花茶、花旗桂圓茶、なつめバラ紅茶。
この四種類を実際に飲ませていただきました。

どれも原料にとてもこだわっていらっしゃいます。
菊もクコの実もバラも今まで見たことのない美しさ。
安全でかつ美味しい。


中国茶好きは茶外茶には興味を示さない方も(私を含め)多いですが
漢方の理論に則った養生茶の考え方は体調を整える生活習慣として取り入れてもいいのではないかと思いました。
養生というのは治療ではなく、予防。
そして、続けてこそ効果が表れるものです。

まずはジョアンナ先生に教えていただいたツボを刺激する体操と
以前は苦手だった菊花茶(先生の菊花はとても美味しい!)を試してみようと思います。



※麗香茶課でも11月ごろにジョアンナ先生の養生茶講座を企画中です。
 

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茶の湯、そして樂

2017-04-27 | 茶にまつわる文化・芸術
東京国立博物館で開催中の「特別展 茶の湯」に行ってきました。

茶の湯に関わる展覧会には割とまめに足を運んでいるので、
見たことのある作品が半分以上はあったと思いますが、
展示が時系列に並び、とても分かりやすくなっていて、良かったです。

見どころはたくさんありますが、
稲葉天目はあまりの人だかりに断念。
まあ、静嘉堂文庫美術館で二回見ていますし、またそのうちかかるでしょう。

青磁下蕪花入は龍泉窯の青とも少し違う何とも言えぬ色合いです。

今回感動したのは、瀬戸茶入於大名に会えたこと。
去年トーハクの裏手にある「転合庵」で茶会をしたとき、
この茶室は小堀遠州が茶入於大名を桂宮から賜り、
その披露のために京都伏見に建てたのだということを知りました。
かなり大ぶりのこの茶入が転合庵の中にあるのを想像するのは楽しいものです。

そして、長谷川等伯による千利休像と対面することも今回の目的のひとつでした。
一番有名な利休像は没後4年に等伯が描いた利休帽をかぶり好々爺な雰囲気の利休像ですが、
今回の出品作は利休62歳の時に利休と親交の深かった等伯が描いたとされる帽子なしの利休像。
この利休は眼光鋭く、ギラギラした感じ。
茶頭としててっぺんに登り詰めた時代の肖像ですね。




さて、ひととおり回った後は東京国立近代美術館の「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」へ。
「茶の湯」展でも樂茶碗はたくさん展示されていますが、
こちらは樂に焦点を絞っており、樂家十五代のそれぞれの代表作を見ることができます。

私は鑑賞するのは天目や井戸茶碗の方が好きなのですが、
樂茶碗は見ていると手に取ってお茶を点てて飲んでみたい、という願望が沸き起こってきます。

逆に言えば、樂茶碗はお茶を点てて飲んでみたいかどうか、が自分的な価値判断の基準です。
樂家十五代、全ての代にその願望を感じるかと言われると、そうでもないというのが正直なところ。
(どの代のお茶碗はお茶を点てる気持ちにならない、とは敢えて言いませんが)

十五代の中では初代長次郎のものが一番馴染みもありますし、魅力を感じてきましたが、
師事するR先生がお好きだとおっしゃる三代道入が素晴らしかった。
こうして比べてみると、長次郎の作品にはない伸びやかさがあります。

そして樂家の二代常慶、三代道入と親交のあった本阿弥光悦がすごい。
その作品の高い芸術性は素人の私でもわかります。
光悦の枠にとらわれない自由さは樂家にとっての一子相伝の難しさを浮き彫りにするかのようです。


この時期、出光美術館と畠山美術館でも茶の湯関連の展覧会が開かれていて、
お茶好き、茶碗好きはじっとしていられませんね!
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あるきちさんのセミナー【「標準」を読む】第1回

2017-03-15 | 茶にまつわる文化・芸術
昨年7月に合同会社ティーメディアコーポレーションを設立したあるきちさん、
毎年開催される「地球にやさしい中国茶交流会」の実行委員長としてもお馴染みですが
セミナー講師としても始動されました。

そのセミナーシリーズ【「標準」を読む】の第1回に参加してきました。

2014年に公布・施行された中国の国家標準『茶葉分類』の話題を中心に
今後の中国茶の分類についてを考察されています。

配布された資料もわかりやすく、
セミナーの内容もとても充実していました。

中国茶の仕事に携わる方、
特にインストラクターとして活動されている方には必須の情報ではないかと思います。
この「標準」を知っているのと知らないのとでは中国茶の伝え方にも大きな違いが今後出てくるのではないでしょうか。

常に中国の現場との接触がある方は既にご存知の内容かもしれませんが、
日ごろ現地の情報を得る機会が少ない方にはお薦めのセミナーです。

4月にも同じ内容のセミナーが日程を追加して開催されるようです。→
 ↓
セミナー「標準」を読む(第1回)4月の追加日程in東京

第2回も期待しています!



★お知らせ★
4月15日(土)にコラボ茶会「三雲物語」を開催いたします。
第3部(15:15~17:00)にまだ若干お席がございます。
ご興味おありの方はブログ記事をご参照ください。
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