ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

年末の顛末

2007-12-31 00:53:33 | 日記
12月26日 男子SP観戦(+ダンスCD)
12月27日 女子SP&男子FS観戦(+ダンスOD)
12月28日 仕事納め
12月29日 MOI観賞
12月30日 帰省

という訳で、岡山の実家からこんにちは。虹川です。
観戦レポートって言っても、例によってスケートのことは分からないので大ちゃん中心に、テキトーに。

■男子SP~HipHop祭り~
思えば去年の全日本。大ちゃんがリンクに出て来た瞬間、「ああ、この人は勝つためにここに来たんだな」と感じさせるものがありました。
そして今年。本人が出て来る以前に、会場全体がもう既に「男子はタカハシで決まりだよね」という空気。
ぶっちゃけ、特に思い入れもなく突き放した視点で見ればこの試合、優勝争いは面白くなかったんじゃないかなと思うんですよね。初めから勝負が分かってる感じで。勝負事としての面白さは寧ろ、力が拮抗した表彰台争いの方にあったと言えるんではないでしょうか。
が、しかし。
そんな冷静な見方ができるくらいなら、わざわざ現地に観戦になど行ったりはしない(←何せ私は腰が重たいからね)。
ファンとは心配なものなのです。寧ろ、心配するために現地へ行くってなもんなのです。
楽勝ムードが漂うということは、裏を返せば絶対に負けは許されないということ。それはそれで大変だあ、と思う訳です。何せSPにはNHK杯のトラウマがある訳で、油断してはいけない。

そんな私の心配を余所に、第二グループのラストに出て来た大ちゃんは最初のジャンプ3つをきれいに決めて機嫌良く踊ってくれました。
よく見るとこのHipHopも、シーズンの最初の頃に比べると印象が違う。日米対抗やスケートアメリカ(どっちもTVでしか見てないけど)の時のようながむしゃらな勢いは影を潜めて、特にサーキュラーステップは力をセーブしている印象。
だけどその分ダンスがこなれて来てるので、適度に力の抜けた感じがまたFunkyなのです。
場内ノリノリでみんなでスタオベ。
「会場をダンスホールに変えた」なんてよく新聞記事で書かれていますが、実際あの時だけ空気感が違ってました。それまでは「競技会」って感じの緊迫した空気だったのに、大ちゃんの時だけお客さんみんなハジけてた。
何より、大ちゃん自身がご機嫌だったのが見てて嬉しかったですね。滑った後で何かやってるなーと思ってたら、後でTVで見たらふざけて投げキッスしてたし。

今回ほど、氷の上での彼が頼もしく見えた事はなかったような気がするんですが。
同時に、今回ほど、リンクサイドでの「普通の男の子」の素顔が見えたこともなかったように思います。
どちらも堪能しました。幸せでした。

〈おまけ〉
リンクの外の男前3人。
(1)教え子の演技を見守る佐野稔氏は苦みばしったイイ男に見えました。立ち姿が妙にかっこいい。
(2)教え子の演技を見守る田村山岳斗氏はいつものようにかっこいい。
(3)会場入口付近で宮本賢二さん発見。近くで見ると私の好みド真ん中。超かっこいい。
去年3組だったアイスダンスは、今年は一組しか出場していなかったのが残念ですが、立ってるだけでゴージャスなリード姉弟はいつ見ても眼福です。キャシー姉さんの華やかな美貌にうっとり。
大阪開催ということで、大阪・神戸・京都辺りを拠点にしている選手には地元からの応援団の声援が飛んでいましたが、総じてどの選手にもお客さんは暖かい印象でした。
良い演技には惜しみない拍手をし、失敗すれば拍手で励まし、選手が凹んでいれば一緒に凹むという感じで。
男子SPでは、地元倉敷の☆・大上くんの凹みっぷりが気の毒でした。FSでは中々良い演技で盛り返しただけに、出遅れが悔やまれます。来年はぜひがんぱって下さい。町田くんも来年は出て来てね。


■男子FS~4回転祭り~
SPで圧倒的大差をつけて、これで安心してFSが見れるかというとそうはいかない。
私の心配はまだ続いてます。しつこいようですが、ファン心理とはそういうものなのです。
何せ今回、優勝してもそれだけだと「当たり前」と言われてしまう、そんな試合。多分彼は、単に優勝する以上のものを得ようとしてるんじゃないかと。有り体に言えば4回転2回、今度こそ本気で入れてくるつもりじゃないかなと期待して会場に行った訳なんですが。
でも、実際会場で練習から見ていると、4回転って本当に大変そう。これまでずっと「今年は4回転を2回入れる」と言って来て、一度ならできることを二度に増やす、ただそれだけのことが何故今までできなかったのか、目の前でジャンプを飛ぶ選手たちを見ていると分かるような気がして来ます。
1度でも心臓に悪いのに、それを2回も飛ぶなんて~~~~~とドキドキしながら女子のSPを観戦。安藤さんの復活に安心(何せNHK杯のあれを目の前で見てしまって、何気に心配してたので)&絵己ちゃん、がんばれ!

古畑任三郎とか世界の車窓からとか色々あって、最終グループ。
まずは最初の4回転をきれいに飛ぶ。今までならこれで一安心してた所なんですが、息つくヒマもなくもう一発。ちょっとバランスを崩しながら、意地でコンボに。
うわあ…ホントに飛んじゃったよ、と一瞬ボーっとしました。…けどまだ安心できない(笑)。
4回転ジャンプを飛ぶって、ただそのジャンプだけの問題ではないんですね。これが一つ入るだけで、プログラム全体にかかる負荷が全く違うみたいで。
それを、2つ。飛んだはいいけど、それが後々に及ぼす影響が今度は心配。
3Aも飛び、サーキュラーステップも美しく。でもやっぱり、NHK杯の時に比べても明らかに疲れてる。その影響か、3回連続の所が2回に。でもそれ以外は大きなミスもなくストレートラインステップに。
ええ、もうスタオベでした。お祭り騒ぎでした。嬉しかった。

タラレバですけど、4回転が一度だけなら、もっと点が出たかも知れないと思うんですよ。4回転が少ない分、プログラム全体の完成度は高くできて、後半のジャンプももっと正確に飛べただろうし、ステップにも余裕があったはず。
でも、それでは未来には繋がらない。これから更に上を目指すためには、プログラム全体の完成度は多少犠牲にしてでも、公式の試合の中で4回転を2回飛ぶ、ということを経験しておく必要があった、と思うのです。この機会を逃せば、世界選手権までそうそうチャンスはない訳で。

だから、3連覇はもちろんとても嬉しかったけど、それ以上に4回転2本、ここできっちり実行できたのが何より嬉しかったです。

キス&クライでも珍しくピースなんか出してるし。モロゾフさんと一緒になって手拍子を煽ったりしてるし。インタビューにもありましたけど、やっぱり、後半バテた分を差し引いても、4回転2回飛べたことは、この先世界で戦って行くための大きな財産になったんだろうなーと思います。

表彰式でも、終始楽しそうでした。式の前、呼ばれるのを待つ間に3人ではしゃいでるのが可愛い。去年は表彰台に忘れそうになったあの重そうなカップを、今年は持ったままウイニングランしてました。報道陣の前で、カップを持ち上げるように指示されて頑張って両手で持ち上げてたのに、何故か採用された写真は片足を上げてカップを支えてるお行儀の悪い写真ばっかりだった(笑)。

〈その他〉
3位表彰台を巡る攻防については…私としても私なりに感じる所はあったのですが、何かを言える立場ではないので、何とも言えません。勝負の世界は残酷、と言葉で言ってしまえば一言なんですが、現実はそう簡単に割り切れるようなものではなく。
下位の選手で印象に残ったのは、佐藤光という選手。なんか、プロフィールを見る限り、働きながら、コーチにも付かずにスケートを続け、振付けも自分でやって全日本選手権までやって来たという、それだけで思わず応援したくなってしまうような境遇の選手なんですが。
なんて言うか、心に残るものがあったんですよ、彼の演技は。踊りに気持ちが入ってたというか。自分で振付けするってことは、振付けできるだけのセンスがあるってことだろうし。しかも何気にFSで、4回転に挑戦している(回転不足&両足着氷だったみたいですが)。
色々大変そうですが、これからも頑張って欲しい選手だと思いました。

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そういう訳で、大ちゃんおめでとう&お疲れ様!!
1ヶ月で3連戦は本当に大変だったと思います(なんか、NHK杯の時に比べて明らかに顔がやつれているような…)。これでちょっとはゆっくりできるといいですね。

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拍手コメントへのお返事。

○コメントありがとうございます。色々ゴチャゴチャ言われてしまうのも、それだけ大きな期待がかけられている事の表れだとは思いますが、大ちゃん自身が正しい方向に歩いて行ってくれれば、それが一番ですね。

○そう言って頂けて嬉しいです。

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MOIに関してはまた後日に。