ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

龍のように翔び、鳳凰のように舞う

2010-03-04 01:25:00 | ノンジャンル
高橋大輔選手。銅メダルおめでとうございます!

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ニュースだ新聞だ雑誌だと騒いで(その合間に仕事して)あっという間にオリンピックも終了。無事に日本にお帰りなさい。激しく今更な気もしますが、私はいつもこんなもんですから。

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スポーツは結果が大事というけれど、守りに入って取った銅メダルと、全力で金メダルを狙って攻めて行き、失敗しても最後まであきらめずに戦って結果得た銅メダルでは値打ちが全く違うと思いました。

2008年10月末。膝の靭帯を切ったアスリートが果たして復帰できるのか。復帰できたとして、世界のトップを争っていた高いレベルにもう一度戻って来れるのか。
ファンは信じて待っていたけど、世間の空気は懐疑的でした。膝の怪我に泣いたトップアスリートが過去にどれだけいたのかを考えれば、それも当然のことだっと思います。

だけど、彼は戻って来ました。
SPの最後でコケたフィンランディア。ステップでコケたNHK杯。4回転のミスから調子を崩したGPF。
体力・試合勘・変わってしまった体の感覚・靴の問題…さまざまな困難と戦いながら、それでも一歩一歩着実に前進して、オリンピックの大舞台では復帰後で一番いい演技を見せてくれましたね。
この試合、SPとFS両方でガッツポーズが見れたこと。本当に久しぶりに、本人が納得して演技を終えたことが何よりも嬉しかったです。

「もし4回転で失敗しても、それ以外を完璧にやればいい」という発言が全日本の後にありましたが、まさか本当にそれをやるとは。でもこれ、「4回転を入れるか入れないか?」に思考のフォーカスを当てている内は絶対できない作戦ですね。リスクを背負う覚悟を決めたからこそ、リスクを最小限に押さえるための対策ができた。

オリンピックでよく「勇気を貰った」というフレーズを聞くけれど、正直今までピンと来ない言葉でした。運動音痴の私には、オリンピックに出ているアスリートは余りにも遠い存在なもので。

でも大ちゃんの、バンクーバーでの戦いは、私を含めた多くの人に勇気をくれたと思います。
挫折があっても、失敗しても、運命を呪いたくなったり、途中で逃げ出した日があったとしても。
人はまた立ち上がることができる。
必要なのはあきらめない気持ちと、ポジティブな思考。そして『覚悟』を決めること。

怪我をした当初、或いはその前のコーチ騒動から、彼が公の場で発する言葉は、とにかく事実を前向きに捉えて前へ進もうとするものでした。
実際には不安もあっただろうし、愚痴や恨み言のひとつや二つも言いたかったと思います。それでも、前を向かなければ未来はやって来ないと分かっていたから、敢えて前向きな言葉で自分に言い聞かせていたんだろうなと思うと、本当の意味で強いし賢い人だと思いました。

そして今回のオリンピックでは、最初から最後まで覚悟完了したいい顔をしてました。

多くの人に支えられて掴んだメダル、でもその沢山の人たちを呼び寄せたのも彼自身の持つ重力だと思います。
彼を幼い頃から知る岡山のスケート連盟の理事長さんが「彼と出会い彼のスケートを目の当たりにした方々は、例外無く立場を超えて応援団になっています」というように、周囲に人が集まるのも決して偶然ではないと思います。

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メダル取った直後に色んなメディアに出まくってたので、色んな情報が出て来ましたね。
いつもはスエードっぽいスケート靴が今回に限って普通の革っぽい靴だったので何でだろうと思ってたら、武史先生の靴だったんですね。
幾つもの偶然が重なった結果、かつて日本男子で最もメダルに近づいた男から託された靴で日本男子初のメダルを取ったなんて、そんな運命的なことが現実に起きるなんて。
この人のエピソードには、「どこの少年マンガだ?!」と思うようなネタが多過ぎていつもびっくりします。

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いくら言葉を尽くしても言い足りないけれど、とにかく本当におめでとう。

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地下鉄東梅田駅にて。こういうのもオリンピックならではですね~。
アサヒビールの「明日へつづく挑戦」っていいコピーだ。

■拍手コメントへのお返事。毎度のことながら遅くなってすみません。

2010/2/17 2:51
こんにちは。気持ちを同じくして下さる方がいると思うと嬉しいです。
大ちゃんの演技、ガッツポーズが出ましたね!

2010/2/17 9:28
始まる前は見てる方が倒れそうなくらい緊張しましたね。でも御本人は落ち着いていたみたいで…本当に良かったですね。