ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

神戸北野町パワスポスタンプラリー(2)

2011-01-16 23:10:00 | 大人の修学旅行
(1)のつづき。

***

(5)イタリア館(プラトン装飾美術館)

この後、山の上に向かう場合はオランダ坂を上るのが近道なんですが。
ちょっと思う所がありまして、少し東に戻って不動坂を上って行きます。

ちなみにこの日、クリスマスが近かったこともあってカップルの姿を良く見かけたんですが、デートだからと言って気合を入れてかかとの高い靴を履いて来る事はおすすめしません。
何故ならば。


こんな坂道が待っているから。

個人的には、北野町は「街」の仮面を被った「山」だと思ってます。
そんな坂道をてくてく昇ると、坂道の途中に見えて来るものが。

イタリア館ことプラトン装飾美術館です。


この写真よく見ると坂の角度がよく分かりますね。右下の石垣に注目。

入り口の所で上品そうなおばさんに入場料を払おうとすると、何かすごく喜ばれました。
「入ってくれるの?ありがとう!何を見てここを知ったの?うちは宣伝が下手でねえ、皆さんネットとか口コミで知って来て下さるのよ!」みたいな感じで。
お察しの通りここは「うろこの家」グループの異人館ではありません。個人所有(実際に住んでいるらしい)の異人館らしく、地図やガイドブックにもなぜか余り載ってないんですよね。

入場料700円を払って中に入ると、普通の異人館は「どうぞ自由に見て行ってね」な感じなんですが、ここでは燕尾服を来た執事さん(かどうか分からないけど、見た瞬間に「執事さんだ!」と思ってしまう雰囲気のお爺さん)が館内を案内してくれます。

異人館の基本スペックは『ヨーロッパ風の建築』『アンティークな調度類』『飾ってある絵画や彫刻にさりげに有名作家の作品が混じってる』です。
このイタリア館はミレーとかコローとかコクトーとかの絵画やロダンの彫刻、細かい彫刻が美しい家具類(有名な作家の作品らしい)、ヨーロッパ貴族縁の品々などかなりのボリューム感。


サンタさんの元ネタ・聖ニコラウスの像も祀られていました。

執事さんは地下にまで案内してくれて、キッチンやワイン倉庫なども見学できます。


メイドさんたち(not萌え系)が実際に働いているキッチン。

真ん中で作業台として使われているテーブルはマリー・アントワネットが愛用したものらしいです。
何か色々とすごい建物内を一通り見学して、最後に来るのがここ。


プールのある中庭を臨むテラス。

ここで、さっきのキッチンでメイドさんたちが作っていたお食事をいただくことができるのです(お茶のみでも可)。
実は何気に、私がここに来た目的はお昼ご飯だったのでした(笑)。


土日限定のウィークエンドランチ(1900円)を注文。
2種類から選べるパスタに、前菜・肉料理・スープ・ケーキ・コーヒー(エスプレッソ)付。




盛り付けもお洒落な前菜その他も、もちっとした食感のパスタも、小さいクセに食べ応えのあるケーキも美味しかったですが、個人的にはコーヒーの美味しさに一番びっくりしました。エスプレッソというからには当然濃いのにすごくまろやか。

薄給の身で昼間から1900円は贅沢かなと思ったんですが、この内容なら十分元が取れてます。ちなみに給仕もメイドさんたちがしてくれます。
見る方も食べる方もお腹いっぱいで大満足☆口コミで人が来るのも納得です☆

***

(6)旧中国領事館 (7)北野外国人倶楽部 (8)山手八番館

腹ごしらえが終わった所でパワスポ巡り&スタンプラリーを再開。更に坂道を上ります。
ほぼてっぺんまで頑張って登り、左に入ると旧中国領事館。


玄関前

この玄関先にいるヤツらも確か縁起物じゃなかったかなと思い、後で調べて見ました。
「龍亀(ロングイ)」(見たまんまな名前だ)と呼ばれる架空の生物だと思われます。


パワースポットはこっちの狛犬。丸っこくてかわいい。


旧中国領事館とそのお隣の北野外国人倶楽部はこんな風にレンガ舗装の路地でつながっています。


外国人倶楽部の中はこんな感じ。

開港当時の居留者の社交倶楽部をイメージした建物とのこと。
そしてこの外国人倶楽部の庭を抜けて道一本挟んだ向こうが「サトゥルヌス(サターン)の椅子」のある山手八番館なのですが。


なんか行列ができてる…。

他はパワースポットと言っても特にそれ目当てで来てるような人は見当たらなかったんですが、やっぱりテレビの力はバカにできない。
チケット売り場のおばちゃんは「椅子に座らずに中を見るだけなら並ばずにすぐ入れますよー」と言っていましたが、話題の椅子に座らなければここまで来た意味がない、と皆思うのだと思われます。


大人しく列に並んでこんな写真を撮りながら待つ事しばし。

実は「サトゥルヌスの椅子」は2つあって、


こっちが男性用。割と空いてました。


こちらは女性用。ひっきりなしに人が座っていました。

ちなみにサトゥルヌス(サターン)というのは魔王サタンのことではなくて、ローマ神話の豊穣の神様のことです。
→ウィキペディアの解説
よく見ると細かい彫刻が美しいのですが、じっくり観賞する余裕はありません。
パワースポットというと(主に恋愛方面で)幸せになりたい女性が行く所というイメージですが、時期が時期だったせいかカップル連れの方が多かったような。それで何故男性用の椅子が空いているのかというと、大抵の場合彼氏は座らずに彼女が座ってる所を写真に撮る係になってるから。ていうか、カップルに限らず、「椅子に座ってお願い事をする」というより「椅子に座ってお願いポーズを取り、写真に取って貰う」ことが目的になってるというか、パワースポットがイベント化しているような気が。…なんていうか、私も含めてみんなこういうの好きなんだな、と思いました。
昔のお伊勢参りとか四国八十八ヶ所巡りとかもこういうノリだったのかも知れないと思いつつ、八番館を後にしました。

ちなみに山手八番館には、椅子の他にもピカソがインスパイアされたというアフリカの彫刻とかロダンの彫刻とか、いろいろ美術品が展示されてます。


2Fから神戸の街を一望。矢印の所はポートタワーです。

***

(9)うろこの家 (10)うろこ美術館

そろそろ大詰め。


その名の通り、うろこのような外壁が特徴的なうろこの家。サンタ多過ぎ。


その庭に鎮座するポルチェリーノくんが最後のパワースポット。

後で調べてみたんですが、これはイタリアで幸運のイノシシの像として親しまれているブロンズ像(一番の大本は大理石らしいけど、ブロンズで複製されている)の複製のひとつ。イノシシなのにポルチェリーノ(イタリア語で「子豚」の意味)と呼ばれていて、日本にはここ以外にもいくつか複製があるそうです。
そういえばなんか三宮でも見たような気がする。

ともかくこれでパワスポの方はミッションコンプリートしたので、最後にうろこの家に併設されたうろこ美術館に入ります。ここは油彩(特にロシアの画家の作品)がメインっぽい。あと現代作家の展示もありました。


製菓学校の生徒さんたちによる、お菓子で作った「クリスマスの風景」も展示されてました。

***

そういう訳で、とりあえず今回の目的はコンプリートです。
パワースポットにかこつけての異人館めぐりでしたが、神戸に来てもう何年も経つのに今迄こういう所に来てなかったのはちょっともったいなかったかなと思いました。あと、私の場合行って見た後で「あれはどういうものだったんだろう?」と色々調べるので、結構蘊蓄が増えました。
近くにある観光地って意外といかないもんですよね(その割に実家に帰る度に美観地区に行ってるけど)。
まだオランダ館とかデンマーク館とか行った事のない異人館も色々残ってますので、またその内遊びに行ってみようかなと思います。




神戸北野町パワスポスタンプラリー(1)

2011-01-16 14:31:00 | 大人の修学旅行
ことの起こりは、ネットで調べものをしててたまたま見つけたこんな記事でした。

「パワースポット!」 神戸・異人館街に女性ら殺到

「サトゥルヌスの椅子」とか「シーホース」とかのRPGっぽいネーミングに、「なんだ、パワースポットってそういうノリでいいんだ」と思うと同時に。

・近い。
・…の割に、北野異人館街ってあんまり行ったことない。
・行っても異人館に入ったことはほとんどない。
・そもそも、「風見鶏の館」以外にどういう異人館があるのかよく知らない。


みなと神戸のアイコン的存在、風見鶏の館。

ここはひとつ、パワースポット巡りにかこつけて異人館見物に行くのも悪くないかも、と思い立ち、12月のある日、新神戸駅へと向かった次第です。

※写真にやたらとサンタクロースが映り込んでるのは、12月に行った時の写真だからです。
※拍手コメントへのお返事は別エントリーにて

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(1)ベンの家

まずは地下鉄新神戸駅を出て、西へ向かってテクテク歩きます。


ここから既に上り坂。

そうすると北野通りに出るので、まずは一番手前にあるベンの家でチケットについて聞いてみようかと思ったんですが。


ここが「ベンの家」。持ち主だったベン・アリソンさんが狩猟家だったという事で、大量の剥製が飾られていました。

チケット売り場のおばちゃんがとにかく良く喋る。パワースポットの事もこちらが聞く前にプッシュして来る。
よく見ると、私がネットで見た記事が紙媒体に載った時の切り抜きが飾ってある。
この「ベンの家」を含めて9つの異人館を「うろこの家グループ」が管理・運営していて、そしてこの9つの中に、記事に取り上げられたパワースポットのある異人館がすべて含まれているのです。
…何かいきなり有り難みが薄れたような気がしないでもないんですが。


こんな感じに行く先々で貼ってありました。

…まず。一番の人気スポットである「サトゥルヌスの椅子」のある山手八番館だけ入ると500円。
記事に出ていた4つのパワースポットを回る場合、うろこの館&美術館(1000円)・旧中国領事館(500円)・旧パナマ領事館(500円)をプラスして計2500円。
山の上に並ぶ5館(うろこの館&美術館・山手八番館・旧中国領事館・北野外国人倶楽部)の共通チケット(2000円)を買ったとしても旧パナマ領事館を足すと合計2500円。

…で、私が結局どうしたかと言うと。
9館全部入れる共通チケットが何故か3500円→3150円に値引きされたのでそれを購入。結局全部回ることにしました。
チケットは冊子になっていて(多分パスポートのイメージ)、入館するときにスタンプを押して貰う形式。しかも中のページにまでスタンプを押す欄があるため、ここからこの旅(?)は必然的にスタンプラリーとなりました。


良い紙使ってました。無理矢理合成して3冊に分身。ミッションコンプリート後の写真です。

この時地図も貰ったので、ちょっと分かりにくいですがこの日私が行った場所に番号をふっておきます。

ボールペンの書き込みはおばちゃんの手によるものです。

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(2)洋館長屋(仏蘭西館)(3)英国館(4)旧パナマ領事館

最初の目的地である「ベンの家」をクリアし、同じ並びにある洋館長屋(仏蘭西館)と英国館、そしてお向かいの旧パナマ領事館へ。


仏蘭西館こと洋館長屋。明治37年に建てられた外国人向けのフラット。当時の代表的な洋館の建築様式だそうです。


英国館(イングランド館)


夜はお洒落なバーになるらしいですよ。

そしてこの英国館の2Fには、イギリスつながりでシャーロック・ホームズの部屋が再現されています。
小学校の図書館で読みまくりましたよねホームズ。ああ、なつかしい♪


この雑然とした感じは正しく。


壁には銃弾の撃ち込まれた痕が。ホームズさんがヒマつぶしに撃っただけで、事件とは特に関係ありません。


ホームズVSサンタ。よく見るとサンタさんがパイプをくわえてます。


道を渡ってななめ向かいにあるのが旧パナマ領事館。

領事館というのは、ざっくり言うと大使館のない地方都市に於いて、大使館の一部の業務を代わりに行う出張所みたいな感じでしょうか? かつて神戸にあった領事館のほとんどは今は大阪に移転しているそうですが、神戸港が開港した当時、パナマ運河を擁するパナマは重要な取引相手だったと思われます。
マヤやインカなど中南米の発掘品も多数展示されていました。

そんな旧パナマ領事館の入り口に飾られているのが、本日ひとつめのパワースポット、シーホース像。
シーホースと言ってもタツノオトシゴの事ではなく、ギリシャ神話に登場する半馬半魚の伝説の動物ヒッポカムポスの事のようです。特に説明はなかったけど。


ちなみに聖闘士星矢にも登場。ポセイドンに仕える海闘士の1人。

とにかく9館のうち4館をクリア、パワースポットもひとつ目をクリアって所でちょっと寄り道します。

その2へ続く。