今、現在進行形で読んでいる本が、
ノーレン・ガーツというオランダの科学哲学研究者が書いた、ニヒリズムとテクノロジーです。
この中に、トランスヒューマニズムという考え方があり、
ちゃんと名称が決められ、推進しようと頑張っている人たちがいると言う。
人間は不完全な生き物で、それどころか、ダメなやつらだ。
テクノロジーと融合し、完全を目指すという、映画みたいな感じです。
まあ、義手や義足などの補助としての融合なら、理解しやすいのですが、それだけではない。
なんと、協会まであって、日本語のサイトもありました。
勿論、過激な事は書いてありません。
ここでは、テクノロジーで人間を超越する思想や哲学とまである。
このトランスヒューマニズムには、健康体とされる人間ですら、
不完全なんだという思想があると著者は言います。
アンチエイジングなんかも、こういった部類に入る。
自分も、今の人間は不完全そのものだと思いますが・・・
なんか、行きつく先がずれてて、異様に感じます。
これを突き詰めると、多様性より、完璧さに舵をきっていく事になる。
さらに、こんなのもあったと、思い出させる記事が・・・
中国の科学者が、HIVにならない子供を作ったと、当時はひんしゅくをかった研究で、
トランスヒューマン誕生っていう記事です。
「トランスヒューマニズム」の夢続く、懐疑派の声をよそに
【12月19日 AFP】脳インプラント、寿命の延長、遺伝子組み換え人間など、科学の助けを借りて現在の限界を超えて人間を進化させる「トランスヒ...
分からなくもないのですが、このトランスヒューマニズムが目指すのは、
人間を超える、まさしく超人と言う人もいる(ニーチェの言う超人とは違うだろう)。
欠点を科学で補い、完璧を目指す。
そこに、何かこう、道徳的なものを絡めて、生まれてきた大切な命を守る為という理由を付ける。
こう言われると、反対すると反道徳的なようで、後ろめたくなりそう。
(自分の中に、思想的な柱がないと、流される)
こういう発想と、今回のワクチンは、何だか似ている気がする。
人工的に作り出される、欠点を除去された人間。
科学的なものに、疑いもなく信頼を置き、判断も思考も委ねる事が当たり前の世界。く
日本も他人事ではないのです。
ネット検索も、アルゴリズムがもたらした結果だし、テレビは言わずもがな。
多くの人が、考える事をしない。
このまま、流れていくと、それこそ全体主義の世界、ディストピアへ流れ込む。
危機の時には、強いリーダーが必要だとか、リベラル人まで言い出す。
1984の世界なんて、やだね~、怖いね~、とか言いながら、自ら向かっていく・・・