僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

ケータイ小説「香りな女」

2008年09月07日 | 何でも掲示板
駅ビルのスーパー、エントランスに携帯電話がずらっとディスプレイされている。
半歩ほどずれて女を避けた時ピプノティック・プアゾンが甘酸っぱく香った。

まだ8時を過ぎたばかりだ。高史の乗るパークハイツ行きのバスは38分まで来ない。いつもより2本ほど早い電車に乗れたからだ。目的もなく時間つぶしにと携帯を眺めていた。店員が何度か「いらっしゃいませー。」と声を掛けてきたが、無視して眺めている高史に呆れてか奥に引っ込んでしまったようだ。

女は高史の目の前にあるDO・CO・MOの最新型を手に取った。横目で見ると20代半ば、もうギャルではない落ち着いた顔立ち、化粧はほとんどしていないが、きめの細かい肌に、小さなほくろが数個色白を際だたせている。

女は高史のずれた方へ回り込み今度は足下のカタログに手を伸ばした。カールコードに引き留められている携帯を手に持ったまま、高史は反対側にもう一度半歩避けた。
そんなに俺の側に来なくても、2メートルほど離れたあっちの棚に同じカタログが積んであるじゃないか。気がつかないのかな、よほど欲しいんだな、俺だって初めて携帯買う時はカタログいっぱい集めたもんだよな。

妙な懐かしさを感じて見下ろした高史の目に女の胸元がまぶしく映った。
大きく開いた襟ぐりから真っ白な胸の谷間がしっかりと見える。高史は慌てた
 
つづく













コメント
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