僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

反乱

2014年02月28日 | SF小説ハートマン



それはコンソールパネルの一角から静かに始まった。

コマンダーが通常チェックを終え一息入れようとシートを離れた時、ひとつの小さなREDが数回点滅し消えた。

ちらっと目をやったコマンダーはパネルをコツコツとたたいてみた、が変化はない。
バグか、やれやれ、つまらん仕事がまたひとつ増えやがった。
ぼやきながらパネルのメンテナンスボックスに手を伸ばした時、小さなREDがまたひとつ消えた。

コマンダーの表情にかげりが見えたが、それはまだ、数分後に始まる嵐を前にせっせと穴を掘る砂浜の蟹のように、たいした意味はなかった。


貨物ブロック遮蔽システムのRED消え、通信コントロール、推進動力制御部へと異常が広がると
コマンダーの心拍数は一気に跳ね上がった。



今進行しつつある現実をコマンダーが理解するにはあとほんの少しだが時間が必要だった。


をいをい、何だこりゃ、今までこんな故障は起きたこと無かったぞ。
ってことは、ひょっとして故障じゃない?
ま、まさかサイバー攻撃か?


危機を理解したコマンダーがハザードボックスに拳をたたきつけると、
非常事態を知らせるアラームが鳴り響き大型スペースシップ全体を振動させた。


ハートマンのバイオリストコンピュータは幾重にもブロックされたセキュリティシステムにウイルスを送り込む。
それが成功すると、もうスペースシップはハートマンの意思通りに動くでかいだけの宇宙船だ。


計画通り反乱の実行プログラムが開始されたのだ。


















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奴隷輸送船

2014年02月27日 | SF小説ハートマン




GS-DSの大型スペースシップは圧倒的な武力にものを言わせ、宇宙各地から奴隷を狩っていた。

奴隷となるべき宇宙人達は飼育コンテナに監禁され、貨物ブロックに隔離されている。
コマンダー達は帰還コースへのワープを数時間後に控え各持ち場の最終チェックを行っていた。

飼育コンテナの中ではドラッグを投与された宇宙人達が無気力に、あるいは意識を失って
ICUポッド(生命維持装置が接続された低温ベッド)に身を投げ出していた。
まだ元気な宇宙人はミクロバギーに酔い、皮膚を冷たい汗で光らせ、血走った目をギラギラとさせている。
監禁の際抵抗を試みた宇宙人はその場で脳に簡単なロボトミー手術を施されたらしく、白く混濁した目に光はない。


監視役のアンドロイド達はギガトリップで完全にハイになっている。

人間に最も近いE・Tアンドロイド(合成脳細胞の発明でヒューマンアンドロイドの飛躍的進歩を実現させた、エイキチ・タチバナの名前からこう呼ばれる)は
監禁されている宇宙人達の悲惨な状況と自分に課せられた役割を心の中に整理する事ができず、トリプルチューンに手を出すものもいる。
彼らが監視している宇宙人達は、拉致される前まで自分のパートナーだったのだ。

単純作業向けの汎用アンドロイドと違い、新たな命令をプログラムされても完全に別のアンドロイドにはなりきれない自分を感じるのだ。
人間に近いが故に苦悩することもあるのがE・Tアンドロイドの特徴と言える。

トリプルチューンは合成脳細胞用の非常に危険な薬だが、とりあえず嫌なことは忘れられる。
一度その味を覚えるとその誘惑から逃れるのは難しい。ここではそのテのものは望めば何でもすぐに手に入れることができるからだ。



ミクロバギーに酔いうつろな目をした奴隷達に混じって、ポッドにぐったりと横たわるハートマンの姿があった。


希望を失った奴隷達と外見は全く区別がつかないが、ひとつだけ大きく異なっていることがある。

ハートマンの横たわるICUポッドが彼の生命を維持しているのではなく、


プラグインしたペプシマンのバイオリストコンピュータが

スペースシップの生命を、

今はまだ、

維持しているのだ。




















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FAの意味

2014年02月26日 | SF小説ハートマン



横たわるコーラスガールの胸に鮮やかなFA(ファウンデーションアート)が浮き出ている。

FAはTATOOとは違い、外科的に皮膚を傷つけて描いたものではない。
DNAに組み込まれた色素が描く皮膚組織の変成だ。


浮き出たFAを見つめるハートマンの表情が変化していく。

不規則な模様に見えたそれはよく見るとデジタルな規則性を持っている。
何か意味のある情報をコード化したものだ。

すぐにバイオリストコンピューターに解析させてみる。


ほんの数秒で答えは出た。


それはGS-DSのサイバー攻撃を無効にする重要な鍵をもつ暗号だった。


遙か昔サイココスマーの研究に携わっていた科学者の一人が遠い将来の災いを予測し、研究課程に置いてDNAに密かに組み込んだフェイルセーフ機能だったのだ。

ハートマンのベースオフィスであるセクションにおいて早速対策グループが召集された。
そのメンバーには、北の海辺で人知れず孤独な生活を送る一人の老婆が含まれていた。

老婆についての詳細な情報は無いのだが、
彼女がまだ幼い頃、彼女の母は強力な「いたこ」として人々に崇(あが)められ恐れられていたことは知っておく必要があるだろう。

















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GUN

2014年02月25日 | SF小説ハートマン




チタン合金製のスライドがゆっくりと後退する。
ファイアリングハンマーが起こされ、ダブルカアラムマガジンに一発だけ収まっていた32㎜の金属筒がチェンバーに押し出される。

トリガーに掛かった人差し指が、押しつぶすように静かに引かれた。

トリガーの圧力がしだいに高まり頂点に達すると、大きな爆発音とともに開放された。
瞬時に激しくブローバックしたスライドがリコイルバッファに激突し、チェンバーから焼けただれ白煙を引く金属筒を2mほど弾き飛ばした。


大きく目を見開いたコーラスガールのFA(ファウンデーションアート)が赤く染まっていく。
ペプシマンの腕に全体重を預け、コーラスガールは事切れた。


呆然と立ちすくむ少年に駆け寄り、両手で堅く握られた銃を慎重に引き離す。


旧式の武器だ。火薬による金属弾の発射装置。
バレルには5条のライフリングが施され、GLOCK 32Ti-P AUSTRIA の刻印が読みとれるが、シリアルNOは意図的に削り取られている。
ハンデイウエポンがビーム式に変わる直前に使用されていたオートピストルの最終モデルだ。


なぜこんな物が。


ピストルは博物館で保存されている物もあるかも知れない。だが、発射可能な45ACP実包があったなんて…
ハートマンはまだ温かい薬莢を手に思考をめぐらせた。

トリガーを引くにはかなりの力が必要なはずだ。こんな少年がどうして、何のために。
少年のうつろな目は彼が何者かのマインドコントロール下にあることを示している。


ステップの謎は残されたままだ。















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草原のクンクー

2014年02月24日 | SF小説ハートマン



遠くで何かが啼いている。

そうか、ここにはクンクーが生息しているんだったな。


クンクー!


何頭かいるようだ。まだ本物にはお目にかかっていないが一度見てみたいものだ。遠視スコープに手をかけた時、突然地面に震動を感じて振り返る。
大きな物体が目前に迫ってくる。
ハートマンは瞬間的にハンディウエポンをホルスターから引き抜いた。


片膝をついてハンディウエポンを構えると、迫ってくるように感じたその大きな物体は実際は動いてはいなかった。

巨大なクンクーがハッシーを咀嚼しながらこちらを見ている。時折前足でハッシーの根元を掘るように地面をたたく。

いつからそこにいたのか。景色に溶け込んでいたので全く気付かなかった。
グリーンの濃淡まだらの体色、全身がきらきらと輝く半透明の体毛で覆われている。
体長は5メートルくらいあるだろう。地球の牛とカバをあわせたような体形だ。堅い表皮とその色は恐竜をイメージさせる。

だがまったくおとなしい、天敵がいないせいなのかも知れない。
体も大きいがその乳房もそうとうなものだ。クンクーの乳は栄養豊富でハッシーミルクとして製品化されている。
だがハッシーに含まれる麻薬成分のアルカロイドは当然のことながらクンクーの乳にも含まれている。
子どもには不向きのミルクだ。

よく見ると12-3頭の群のようだ。おとなしいと分かっていても、その大きさと風貌に圧倒される。
用心しながら近付いてみた。近付くにつれむっとするほどの体温を感じる。
この星の生き物は例外なく体温が高い。太陽光線を体に蓄えるシステムを持っているのだ。
体が緑色をしているのもその為だろう。
体温が平常で40度位と高いのは、夜に急激に低くなる気温に耐えるように自然に備わった生体のシステムなのだろう。

クンクーはハートマンなど全く意識に無いようだ。
そばによって体をたたいてみたが、その場を動こうともしない。

時折クンクー!と啼き仲間とコミニュケーションを取り合っているようだ。
その声はかなり大きいのだが、間近で聞いても遠くの声に聞こえる。


ギターみたいなやつだな。人間とは違う周波数の音で会話しているのか、驚いたもんだ。


地球で昔流行したと言われるクラッシックギターは、近くで演奏しても遠くで鳴っているように聞こえるといわれる楽器だ。
とにかくあの娘の手がかりを探そう。

今思えば名前くらい聞いておけば良かった…
ハートマンが離れるとそれを待っていたかのようにクンクーの群が移動を始めた。



























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想い出のステップ

2014年02月22日 | SF小説ハートマン
いい曲だね、一杯おごるよ。
何気ない風を装って声をかけた。コーラスガールは微笑みで応える。

ドリンクは何にする?何か元気の出るやつ教えてよ。
元気が欲しいのならハッシーミルクがいいんじゃない、C-3オーガニックファームのよ。私の故郷なの。

ハッシーミルクなら何度か飲んだことがある。麻に似た植物ハッシーだけを食べるほ乳類クンクーの乳だ。
ハッシーの葉にはアルカロイドの一種が含まれていて、それを大量に食べるクンクーの乳にも当然含まれる。
アルカロイドは麻薬成分なので、禁止ではないがこの星では成人の飲み物に指定されている。

クンクーはその名の通りクンクーと鳴く大型の動物で、ハッシーの草原に群れを作っているのだが、
野生のものでも近寄って搾乳することが出きるくらいおとなしく愛らしい生き物だ。
肉も利用できるのでC-3惑星ではクンクーを人工的に繁殖させて行う酪農が盛んだ。


じゃ、それホットで。

C-3惑星人は体温が高い。通常40度位だ。今までステージで踊っていたのだから今は45度位あるかも知れない。
肌が触れ合っているわけではないのに全身から温かい赤外線が感じられる。
ホットのハッシーミルクと彼女のおかげで、バイソンの酔いがまろやかにハートマンを包み込む。


踊ってくれるかい?
コーラスガールはOKの微笑みを返す。


フロアーに降りて彼女の腰に手を回す。
体温に乗って胸元からハッシーの蒸れた匂いが湧き上がってくるが、不快ではなくむしろずっと嗅いでいたいような気持ちだ。
ダンスは彼女が慣れた感じでリードする。

ハートマンはもう揺れているだけで幸せな気分だった。ハッシーが効いてきたのか…

ほほえんでいるコーラスガール。深いターコイズブルーの瞳。
ハートマンの残り少ない稼働脳細胞に一瞬パルスが走る。

ただ揺れているだけだと思っていたこのダンス。これはいつかミリンダが教えてくれたもの。

特別なあなたにだけ教えてあげるのよ、と言って笑っていたあの時のステップだ。
あたしのステップ、忘れちゃだめよ。これは私が生まれるずっと前からある特別なステップなの。
何度も何度も繰り返したあの、ミリンダのステップだ。
ハートマンの手に、足に、唇にミリンダの体温がよみがえる。


君、誰から教えてもらったんだ。このステップ。これはミリンダの・・・






















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PS-project

2014年02月21日 | SF小説ハートマン




宇宙の果て、銀河組織GEALMAによって地球クローンが作られようとしていた。

水、酸素、窒素、快適な温度、不快なものをすべて排除しデザインされた動物、植物たち。
「天国を体験できる!夢のリゾート」


しかし表面上の明るいアドコピーの裏でもう一つの計画が密かに、しかし着々と進められていた。

PS計画だ。
追伸計画と符号で呼ばれているペットサピエンス計画。
それは、宇宙各地から集められた宇宙人をペットとして改造し、報酬を支払えば何でも自由にできるようにしてしまうおぞましい計画だ。

簡単に言えば、安全を保障された環境での奴隷遊びだ。
絶対服従、暴力、破壊、SEX、殺人。
心の裏にある欲望を理性や他人の目、法律、そんな縛りからすべてを解放してやったとき人は何がしたいと思うのだろうか。


「あなたの素直な欲望を全て満たしてあげましょう。周りの目を気にする必要はありません。あなたのしたことを誰もとがめません。ノイローゼなんてバイバイ!スカッとやっちゃおう。何でもあなたの思いのまま。あんたはスペシャルゴッド!やっちまえ!」


ここに送り込まれる奴隷達は
あらゆる人種の要望に応えるために宇宙各地から異星人達が集められ、研究棟と呼ばれる改造室でで中枢神経のバイオ手術受けていた。

奴隷狩りを一手に引き受け法外な報酬を得ているのがGS-DS、そしてその組織を恐怖で仕切っているのがBBと呼ばれるサイココスマーだった。




パスワードをいくつか入力すると、GEALMAのロゴマークをバックに過激なアドコピーがモニターに現れた。
「あんたはスペシャルゴッド!やっちまえ!」

厳重な警備の目をぬってハートマンが潜入する。
左腕に埋め込んだバイオ・リストコンピュータがゲートロックのパスワードを見つけ確実に解除していく。


難なく最深部へ潜入することに成功した。アラームは鳴らない。
その部屋では研究員が数名、モニターを見つめながらマニピュレーターを操作をしていた。

ハートマンはそのモニターを見て思わず息をのんだ。

モニターが特殊なポットに全裸で横たわるミリンダの姿を映し出していたからだ。













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サイバークラブ

2014年02月20日 | SF小説ハートマン




客は全てアンドロイドか異星人のようだった。


バーテンが機械的に広げてみせるメニューに目をやる。

 「ギガトリップ」
これは体内を流れる合成体液を送り出しているバイオポンプを縮小させ、思考回路に届くイオンの状態を狂わせる。
要するにアンドロイドに心筋梗塞の状態を作り出し、脳を酸欠状態にしてしまうようなものだと思えばいい。

脳は異常を快復しようと通常発信しないパルスを断続的に出力するようになる。
アンドロイドにとってこの不安定な状態が、ある意味の陶酔感に変わるのだ。



 「ミクロバギー」
これは培養された細菌の一種だ。無防備な体内に入ると猛烈な勢いで繁殖する。
その時アルコールに似たエネルギーと性的興奮を起こすホルモンを多量に放出する。

こいつをやっているヤツは決まって汗をかき、目をぎらぎらとさせている。

免疫システムには弱いので一定時間のタイマーを組み込んだ免疫抑制剤をドリンクに混合して使う。



「トリプルチューン」
今は合成脳細胞専用なのであまりやっているやつはいないが、一昔前は人間の間にもアンダーグラウンド市場でかなり流行った。

不快な感覚を全てシャットアウトしてしまうレセプターが主成分の薬(ヤク)だ。
時間とともに非常にハイな気分になり際限がない。

そして限度を越すと戻れなくなる。かなりの宇宙人がそれで命を落としたと聞く。




「バイソン」
おう、ここにもあったか。

通称「原っぱ」と呼ばれる酒だ。
合成アルコールに地球のバイソン草で香りをつけたものだ。
ボトルに一本、乾燥した草の葉が入れてある、

その昔地球ではこの草は普通に自生しており、雑穀から作る蒸留酒に浸しておくと
透明な液体がうっすらと色づき、独特の香りが抽出されるので
安い割にうまいと人気の酒だった。

地球のものから培養された本物のバイソン草なら値段も高いが格別だ。


とりあえずそれを注文する。
隣ではもうべろべろにラリっちゃってるおやじ宇宙人が、もう一杯トゥーフィンガーでくれと、くだを巻いている。


客は皆いかれた連中だが、嘘はない。
この店の雰囲気は好きだ。
ハートマンはカウンターのいちばん隅のスツールに座り
時折話しかける無表情なバーテンダーに無表情な相づちを返しながら10分も経たないうちにすっかり溶け込んでいた。






約束の時間だ。

店を出て指定の場所へ向かう。




















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ヘルシードリンク

2014年02月19日 | SF小説ハートマン



置いてってくれ。

バーテンダーにそう告げて、あと2杯も飲めば空いてしまうボトルを引き寄せた。

ミリンダは医療チームによって隔離され、ハートマンでも3日間は会えないと担当チーフに宣告されていた。
経過だけでも知りたいと隔離ブースに足を運んでみたが、何度試してみても受付のモニターは冷たく[disable]を表示するだけだった。


今日はどうしたんだ、いつもの俺じゃない。


こんなに飲んだのは久しぶりだ。
左手首に目をやると、バイオ・リストコンピュータがプロパティ15%と表示している。
やれやれ、脳細胞の85パーセントはおねんねって訳だ。ま、たまにはいっか。

このまま酔いつぶれてしまえたらきっといい夢が見られるのだろう。

実際ハートマンはそうしようと思ってこの店に来たのだ。
彼のバイオ・リストコンピュータは彼自身の脳細胞、その稼働していない部分を使用している。
CPUは常に脳細胞のパルスを監視し、リアルタイムでニューロスキャンする事によって見つけ出した空き細胞をリザーブする。

あとは自分のパルスを自在に送り込んでそいつらを強制的に働かせるって寸法だ。
だがハートマン自身はそれを意識することはない。


まったく人間の脳ってやつはなんて大げさにできてるんだ。
持っている能力の30パーセントも使っていないなんて。
初めっから全部働かせることが出きれば本当はこんなバイオリストコンピュータなんていらないんだ。

自分の脳が自分で使いこなせないなんて変じゃないか、
これで人間は本当に進化した生物って言えるのか?


ハートマンは頬杖をついたまま最後のグラスを飲み干した。
後味の悪い酒だ。どうせ合成酒が何割かブレンドされてるんだろう。

ラベルさえブランドものなら中身なんて吟味するヤツはいない。
いつからそうなってしまったのか、酒はブランドネーム=値段だ。
ニヤニヤしたこの店員が店の裏でボトルの中身を入れ替えてるに違いない。

「玉付き」のボトルを注文すれば良かった、
こんな店にそれがあればだが…




もう帰ろう、

振り返ったその時、ライブステージで歌うコーラスガールの一人がじっとこちらを見ているのに気がついた。

歌いながらだが、じっとこちらを見て視線を逸らそうとしない。
何かを訴えかけているようだ。


ハートマンの残り少ない稼働中の脳細胞がメモリーの分析を始めた。

















イラスト「宇宙へつづく道」は 清水 航平君の作品です。 前橋市立笂井小学校6年生
















































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Fanky Jog

2014年02月18日 | SF小説ハートマン

頭の中を空にして一人ハートマンは走っている。
トレーニング専用に作られたジョギングチューブの中をひたすら走る。

速度はいつもの70%にセットした。
今日は少し長く走ろうと思ったからだ。


チューブはゴーグルをつけなくても360度の方向に好きな映像を描き出す
もちろん。これが「映像」と呼ぶにふさわしいかどうかは別の問題だが…

テンキーをいくつかたたくだけでどこでも走れると言うわけだ。

100年前のニューヨーク、朝霧に濡れたセントラルパーク
火星のコローニーによくある赤褐色のガイドアベニュー
エリジウムステーションの長い上り坂のような外周
馬が走る抜けるモンゴルの草原

今は、ラウンドサイトを地球№126にセットした。一番好きなサイトだ。 
これでジョギングチューブの左側がセイシャルブルーの海岸、右側がブリリアントグリーンの熱帯樹林になる。

アロマフレグランスの効果は人間の五感を完璧に欺く。
背後に並ぶコントロールパネルさえ見なければ、そこがバーチャルスペースだとは誰にもわからないだろう。

不可視光線オプションは限界ぎりぎりまで上げておいた。
フレッシュアップしたばかりの皮膚をチリチリと焼く紫外線も悪くない。


ミュージックチャンネルは女性ソウルににセットしたままだ。
いつも大好きなダイアナ・ロスのファンキィでグルービーな歌声から始まる。

しかし今日は足が重い気がする。
いつものように体がリズムを刻まないのだ。


ハートマンの心がまだ回復しきっていないせいかも知れない















※画像はあまりにきれいなのでつい黙ってお借りしてしまいました
 著作権の問題がある場合は速やかに削除いたします










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最悪の日々

2014年02月16日 | 何でも掲示板



体調を崩して伏せっています




大雪だって!

いつもならちょっとわくわくしちゃうのですが…



夜中にどかんと音がして、地震のように家が揺れた









明け方またどかん

その後何度かどかんは続き

夜が明けてからもそれは続いたのです

危険なので近づかないようにしましたが

全滅してしまいました~   あぁ~あ














雪はもう嫌だネ。。。




















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煙突のけむり

2014年02月11日 | フォトムービー







タイトルそのままですが







煙も空気なのにそこだけ違う生き物のように




液体のミルクがコーヒーと混ざり合う時に似て




最初だけはうんと頑張っているのだが




やがて混ざり合ってしまう




    けむり ← クリックでムービーへ





























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開運・出世

2014年02月09日 | 何でも掲示板






だんごを食べるといいことがある



おでんを食べると出世する



イイネ!























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賞味期限

2014年02月05日 | 何でも掲示板







気がついたら過ぎていた




この気品ある美しい花を見に行くのを

うっかり忘れてしまった

あ~ぁ残念なり



これは去年撮した写真です。

今年も見たかったのに…


暑い夏、寒い冬

なんだかんだ言っても

四季がある内はまだ地球は大丈夫ってことかな
























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著作権のトラブル

2014年02月03日 | フォトムービー










今なら見られますトウモロコシ畑の記録 ← クリック



アップしてすぐに第三者のコンテンツと云々でストップしていた動画が

先日見たら見られるようになっていました

どうゆう風の吹き回しなのか分かりませんが

とにかく今は音楽も聴けます



ビートルズも含めて勝手に音楽を使っちゃいけないのが著作権ですが

商売に使ってるわけじゃなし

むしろ宣伝活動だと思ってるのは中国的な考えなのでしょうか



いけないのなら、無理矢理どうしても使おうとは思わないので

止められたら止められたで、しょうが無いと思っていました

コンプライアンスには従いますよ

でも今回の解除はどうしてなのでしょうか?

つうか

UMG(ユニバーサルミュージックグループ)さんありがとう



この動画を見て泣いてくれた友人がいました

実は私も完成時に泣きました(笑)






























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