運命って

本当にあるのだろうか

あったとしたら誰か教えてくれるのだろうか

教えてくれるとしたら、教えてもらいたいだろうか


命っていつ始まってどこに行くんだろう
横断歩道の信号の横についている赤い線のランプのように
カウントダウンしていくキッチンタイマーのように
電子ゲームの戦闘力の表示のように

ダメージを受ける度に
あるいはただ一日を生きる度に
少しずつ減らしていくものなのだろうか


みんながライフメーター（仮称）を持っている世界があったら
飲み会なんかで集まった時に
「おい見てくれよ俺ってあと３．５７だぜ、お前は？」
「ああ俺なんかこないだから休んでないから急に減っちまってさ」
「前置きはいいから見せろって・・・あちゃー２．９５かよ」
「すんげーやばいだろ」
みたいな会話をするのだろうか


命っていうのは生命とは違う
生命っていうのはいつかハートマンの宇宙君が言ってた
体の分子がダイナミックに絶えず変化し続けていることだ
命っていうのは命を持ってるそいつが生きているって事だ

命があるから生きてるんじゃなくて
生きてるから命があるんだ

生命があるのに生きてないって奴もいる
生きてるのに生命がないって奴はいない

生きてるってことは生命があるってことより
命があるって事なんだと思うんだ