2014年10月19日に発行された日本経済新聞紙の朝刊の中面に見出し「Jディスプレイ誤算続き パネル生産 深谷工場閉鎖」という記事が載っていました。
中小型液晶生産では世界最大手のジャパンディスプレイはスマートフォン向けの高精細液晶パネルを生産する深谷工場(埼玉県深谷市)を2016年4月に閉鎖することを決めたことが地元の深谷市などに大きな波紋を与えています。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見だし「Jディスプレイ誤算続き パネル生産の深谷工場閉鎖」として載っています。
ジャパンディスプレイは、経済産業省主導の官民ファンドである産業革新機構(東京都千代田区)が主導して、日立製作所とソニー、東芝の中小型液晶事業を統合して発足したオールジャパン”の中小型液晶メーカーです。このため、中小型液晶生産ではシェアが16.2パーセントと世界最大手です。第二位はシェアが15.1パーセントのシャープです。2013年のシェアです。
ジャパンディスプレイは、2012年4月から事業を始め、今年2014年3月にIPO(新株上場)した、“オールジャパン”の中小型液晶メーカーです。
同社の2015年3月期の最終損益は268億円との黒字予想から一転し、100億円の赤字に転落しました。その業績悪化の対応策として、深谷工場の閉鎖が決まったようです。今回の日本経済新聞紙の記事は、なぜジャパンディスプレイが失速したのかを解説するものです。
同社の業績に影響を与えたのは、今年9月に販売を始めた米国アップルのスマートフォン「iPhone6」でした。ジャパンディスプレイはアップルから「iPhone6」向けの小型液晶を受注しますが、同時に受注した他社の小型液晶に問題があったらしく、ジャパンディスプレイの量産時期だった7月から9月のアップル向け出荷が後ろにずれ込んだようだと推定しています。
同時に、同社はスマートフォン向けの小型液晶では、韓国のサムソン電子と日本のソニーからも受注しています。これは世界最大手の企業として、頑張っている成果です。ところが、韓国のサムソン電子と日本のソニーのスマートフォンは、台頭する中国企業のスマートフォンの勢いに押されて、両社のスマートフォン向けの販売量が伸び悩んだそうです。この結果、両者向けの小型液晶を生産しているジャパンディスプレイの茂原工場(千葉県茂原市)の稼働率が月産で30パーセント近く落ち込み、事業収益を下げる原因になりました。
その中国企業向けにも、同社は高精細の液晶パネルを供給する手を打ちましたが、中国企業向けでは販売価格が10パーセント程度低下し、採算性が厳しいもようです。
どうも、スマートフォン向けの小型液晶分野では小型液晶事業は、あまり儲からない状況になっています。ただし、その影響をジャパンディスプレイが一番受けているのではないかと推定されているようです。このため、ジャパンディスプレイはスマートフォン分野以外の供給分野として、自動車のナビゲーションシステム向けの小型液晶を目指し始めています。
小型液晶事業の難しさは、生産設備投資に1000億円程度と多額の投資が必要になるために、生産設備の稼働率が事業収支を大きく左右します。この点を考えると、半導体事業と同じ構図です。エルピーダメモリ(米国マイクロンが買収)とルネサス エレクトロニクスの業績不振を“他山の石”と考えて、ジャパンディスプレイは事業線戦略を練るはずでした。
ジャパンディスプレイが株式上場した2014年3月以降で、同社は2回、業績下方修正しています。このため、同社の株は10月17日時点で330円となり、3月上場時点の公募価格の1/3まで低下したと伝えています。この結果、今年6月に開催された同社の株主総会では、「経営責任を取れ」との厳しい意見が、社長の大塚周一さんに浴びせられたどうです。
こうした結果、同社は深谷工場の閉鎖という結論を出します。この深谷工場は以前に東芝のカラーテレビの生産工場として有名でした。“東芝深谷工場”は地元の誇りでした。大手新聞紙の“埼玉欄”のニュースによると、「東芝の工場に戻して、地域住民の雇用を守ってもらいたい」との声が上がっているそうです。
(追記)昨日2014年10月20日編の「日本経済新聞紙の「MRJ 機体初公開」という記事の隣りに、この気になる、この記事が載っていて拝読しました。
中小型液晶生産では世界最大手のジャパンディスプレイはスマートフォン向けの高精細液晶パネルを生産する深谷工場(埼玉県深谷市)を2016年4月に閉鎖することを決めたことが地元の深谷市などに大きな波紋を与えています。
日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では見だし「Jディスプレイ誤算続き パネル生産の深谷工場閉鎖」として載っています。
ジャパンディスプレイは、経済産業省主導の官民ファンドである産業革新機構(東京都千代田区)が主導して、日立製作所とソニー、東芝の中小型液晶事業を統合して発足したオールジャパン”の中小型液晶メーカーです。このため、中小型液晶生産ではシェアが16.2パーセントと世界最大手です。第二位はシェアが15.1パーセントのシャープです。2013年のシェアです。
ジャパンディスプレイは、2012年4月から事業を始め、今年2014年3月にIPO(新株上場)した、“オールジャパン”の中小型液晶メーカーです。
同社の2015年3月期の最終損益は268億円との黒字予想から一転し、100億円の赤字に転落しました。その業績悪化の対応策として、深谷工場の閉鎖が決まったようです。今回の日本経済新聞紙の記事は、なぜジャパンディスプレイが失速したのかを解説するものです。
同社の業績に影響を与えたのは、今年9月に販売を始めた米国アップルのスマートフォン「iPhone6」でした。ジャパンディスプレイはアップルから「iPhone6」向けの小型液晶を受注しますが、同時に受注した他社の小型液晶に問題があったらしく、ジャパンディスプレイの量産時期だった7月から9月のアップル向け出荷が後ろにずれ込んだようだと推定しています。
同時に、同社はスマートフォン向けの小型液晶では、韓国のサムソン電子と日本のソニーからも受注しています。これは世界最大手の企業として、頑張っている成果です。ところが、韓国のサムソン電子と日本のソニーのスマートフォンは、台頭する中国企業のスマートフォンの勢いに押されて、両社のスマートフォン向けの販売量が伸び悩んだそうです。この結果、両者向けの小型液晶を生産しているジャパンディスプレイの茂原工場(千葉県茂原市)の稼働率が月産で30パーセント近く落ち込み、事業収益を下げる原因になりました。
その中国企業向けにも、同社は高精細の液晶パネルを供給する手を打ちましたが、中国企業向けでは販売価格が10パーセント程度低下し、採算性が厳しいもようです。
どうも、スマートフォン向けの小型液晶分野では小型液晶事業は、あまり儲からない状況になっています。ただし、その影響をジャパンディスプレイが一番受けているのではないかと推定されているようです。このため、ジャパンディスプレイはスマートフォン分野以外の供給分野として、自動車のナビゲーションシステム向けの小型液晶を目指し始めています。
小型液晶事業の難しさは、生産設備投資に1000億円程度と多額の投資が必要になるために、生産設備の稼働率が事業収支を大きく左右します。この点を考えると、半導体事業と同じ構図です。エルピーダメモリ(米国マイクロンが買収)とルネサス エレクトロニクスの業績不振を“他山の石”と考えて、ジャパンディスプレイは事業線戦略を練るはずでした。
ジャパンディスプレイが株式上場した2014年3月以降で、同社は2回、業績下方修正しています。このため、同社の株は10月17日時点で330円となり、3月上場時点の公募価格の1/3まで低下したと伝えています。この結果、今年6月に開催された同社の株主総会では、「経営責任を取れ」との厳しい意見が、社長の大塚周一さんに浴びせられたどうです。
こうした結果、同社は深谷工場の閉鎖という結論を出します。この深谷工場は以前に東芝のカラーテレビの生産工場として有名でした。“東芝深谷工場”は地元の誇りでした。大手新聞紙の“埼玉欄”のニュースによると、「東芝の工場に戻して、地域住民の雇用を守ってもらいたい」との声が上がっているそうです。
(追記)昨日2014年10月20日編の「日本経済新聞紙の「MRJ 機体初公開」という記事の隣りに、この気になる、この記事が載っていて拝読しました。