おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

五木寛之「恋歌」を読む

2011年12月02日 10時35分12秒 | 日記
今朝は3時半にトイレに起き、帰ってベッドに入ってそのまま読みかけの本を広げて読んだ。

現在は田原総一郎の「日本の戦争」という近代史の本。これは幕末から書き起こしているのでとても面白い。

もう一冊は亡くなった河合隼雄と谷川俊太郎、大江健三郎の対談。「言葉の意味」、日本語と日本文学の現在を語っている。

今朝は文庫で再読の五木寛之の「恋歌」(こいうたと読むのだろうかー)を500ページの後半3分の1を読んでしまった。

出版は昭和43年。私が高校を卒業した年だ。五木が36歳、油の乗り切った頃で作家になって3年目。早稲田の露文を出て、マスコミに入って働いていた頃の経験をベースに書かれているようだ。

マスコミで活躍する沢木直子という女性が登場するのだが、そのマスコミの最前線で醜聞によって叩かれ、悲痛な思いでパリに旅立っていく。

五木が昭和40年に全ての仕事を整理した後、船でソ連へ旅立ち、さらに北欧を旅行している。帰国して作家への道を歩むことになるのだが、この直子という女性に自分の思いを託したのかもしれない。

戦後、満州からの帰国する際に、妻がソ連兵に輪姦されそのトラウマの所為で夫婦の関係が20年も途切れている哀しみを抱えている。この夫婦には子供もなく、その関係の改善の兆しがとうとう最後まで見えないのだが、痛みを共有しながら二人で行き続けていく。人というものはそれぞれ心の内側に悲しみを抱えながら、じっと我慢しつつ生きていくのかもしれない。

最近、NHKの「あさイチ」に出演していたのを見たけど、やっぱりダンディーだなと思う。いい男だし、作中の井沢信介とイメージがダブル。髪もふさふさ、太っていなし、ビジュアル的にはいうことなし。この人を見ていると劣等意識に苛まれる。

もてるんだろうな・・・直子の妹亜由美も信介に心を寄せていく。なんとも羨ましい限りだ。

彼はスポーツカーのマニアらしく外車のすごいヤツを何台も所有していたらしい。実に都会的なのだ。

畑で鍬を振るっている私と相当の開きがあるぞ、くそっ

一昨日、また古本を一杯仕入れてきたので、さてどれにしようかな。この時が読書家の楽しみでもある。