未だにこの本を読み続けている。
但し、同時に3冊を読み進めるので時間は懸かる。
昨日、浅田次郎編「見上げれば星は天に満ちて 心に残る物語-日本文学秀作選」(2005年、文春文庫)を読了。
浅田が秀逸と感じている本を13篇集めている。
特に印象に残っているのは次ぎの通り。
清張の『西郷札』、梅崎春生の『赤い駱駝』、井上靖『補陀落渡海記(ふだらくとかいき)』、山本周五郎『ひとごろし』、川端康成の『死体紹介人』、立原正秋『手』。
井上靖の『補陀楽ー』は何回か読んだことがあるし、この影響もあって1昨年、ノンフィクション論文を書いたこともある。
山本は私が現在時代小説・歴史小説に傾倒しているので、この人がレジェンド。
川端も立原もミステリーぽくて面白かった。
さて、今朝も早くから河津の本を読み続けた。
日田の内科医のこの人が特定の時代、特定の地域、人物、事件に興味を抱いて史料を漁り、丹念に踏査し、仲間と議論し、図書館を訪ね古文書を調べ、1冊の本にしていく。
ある地域の幕末に起きたらしい!!「かくれキリシタン虐殺事件」を執拗に追いかけていくその情熱たるや凄い。鬼気迫るものがある。ノンフィクション(本人が書いている)だが、読んでいる者はミステリーを探偵が追いかけていくようなスリルがある。
大学の卒業論文のテーマ「横井小楠」が本に登場する。その実学党の仲間だった荻昌国の自害との関連。なにしろ興味深いのだ。
処刑から逃れたとされる人物の存在を証す墓を発見するところまで今朝方朝風呂に浸かりながら読んだ。
あと少し、明日までには読み終わるだろう。要点は筆記し、コピーも取って図書館に返還しなければー