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久しぶりに司馬遼太郎の本を読んだ。
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『日本とは何かということ』と題して山折哲雄と対談したり、米山俊直、松原正毅の寄稿が載っている。
一時期司馬に溺れていた時期があった。歴史小説以外で『明治という国家』は何度も読んだし、まだ何度も読み返したいと思っている。
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山折哲雄は宗教学者でこの人の本もよく読んでいる。対談は司馬と宗教の観点で日本という社会を捉え直そうとしている。
時期がオウムや阪神淡路大震災の後ということもあって、神仏の存在、救いとは・・・こういう原理的な問題に触れている。
日本人の原風景にあるそこかしこに神がいて、あらゆるものに神が存在するという汎神論の世界と一方で無常観。世界は決して一所に止まっては居ない。常に変化し流動している。今栄誉栄華に有る人も明日は公園にねぐらを探すことになるかもしれない。
ある種諦念の思想ともいえる社会の中で夏目漱石の俳句を記す。
菫程な小さき人に生まれたし
司馬の歴史小説の系譜と山本周五郎の比較。これも面白い視点だった。
これからまた新しい小説を読み始める
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