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今朝はいい天気だ。
五岳は薄い靄に包まれているけど、青空で最高。
体調が悪いとベッドで休む時間が増え、読書量が増える。
先週の読書は次の通り。
井川香四郎「船手奉行うたかた日記 咲き残る」、関根聖「うろつき同心勘久郎 鬼刀始末」、澤田ふじ子
「真贋控帳」、半村良「かかし長屋 浅草人情物語」、高橋義夫「御隠居忍法 振袖一揆」。
井川の書いた船手奉行の日記は幕府の中でもその役職が珍しく面白かった。特に町奉行=与力ー同心との関係が
目新しかったし、ストーリー性も豊かで良かった。
半村は再読。GOO!
関根の「鬼刀」始末はこの「鬼」、「鬼刀」の位置付けがイマイチ明瞭ではなく、不満が残った。
澤田の「真贋控帳」は現代でも人気の「お宝鑑定団」の古物鑑定士の話。
真贋ってどこまで信用できるのだろうか・・・というのは読後感と石坂問題で注目された鑑定団、
テレビで鑑定額が打ち出されるがどこまで信用できるのだろうか?
さて浅田次郎の「月のしずく」は再読。この「月のしずく」には泣いた。
現代の危うく浮き沈む経済=金に翻弄され一方は汗水たらしなが工場で働く職工と、銀座の高級クラブの
おねえちゃんとの偶然の出会い。
男の目にはまるで女神に見える若い女。
女の腕にはきらきら輝く腕時計がー
彼氏からもらったという。。
どうしてもこの腕時計を自分で買って彼女に贈りたかった職工は、友人などから金を借り集め銀座の「日本一の時計屋」
に向った。実はそれはコルムのアドミラルズ65万円、手の届かない額だった。
そして職工が手に入れたものはデスカウントショップで購入した6800円の時計。
ただただ真面目に生きてきた「蟻ん子(職工)」、一晩で何千万、何億という金を扱い高価なブランドで身を包んで
生きる好対照な人間群。しかし、元々は違いは一つもない哀しい存在なのだ。
次朗さんこれを書くのが実に巧い。
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