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乙川優三郎は好きな作家だ。
同じ世代だが、繊細な感性と美意識。芯のしっかりとした倫理観と道徳性。
そして何より市井の人々が何気なく表出する人情の温かさ。
「五年の梅」を何気なく手にとって読み始めた。
かなり読んだ後、あれっこれ読んだ覚えがどことなくあるぞー
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年は取りたくないものだ
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体が動かなくなるのは年齢による身体の全体的な劣化現象で
やむを得ないとしても、頭の劣化は防げないものかー
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政治家は口が巧い。過去の記憶でもすらすらと流れ落ちる滝水みたいに流暢。
権力者として煽てられ、大きな金を握るようになりでかい家に住み、美味い
ものばかり喰い、何不自由なく暮らしているから頭の劣化も緩やかあのか?
もの忘れがひどくなっていくばかり。本を読んでいても途中で何度も振り返
らざるを得ない。時代小説でも推理が入ってくるとストーリーが複雑さを究
め、こんがらがってくる。
いつも細かいことを捨象して次に進めていくのだが、情けなくもある。
さて「五年の梅」、兄妹がいて、武家の兄の友達がいて姉とは許婚の約束がある。
兄が殿様の料理番。なかなか食の進まない殿に料理の工夫に苦労している。
友達はある日意を決して、殿に諫言する。食の贅沢をほどほどにするべきだ。
食べる料理で家来が死ぬほどの思いで悩んでいるのにー
そして当然ごとくに、蟄居を命じられる。
妹は添い遂げる覚悟を決めていたが突然の相手の蟄居。
妹は強欲な高利貸しに嫁いでしまう。
その妹を取り返すべく友はある計画を思いつき実践する。
・・・
この本は短編集だが、思い出に残る作品に「小田原鰹」というのがある。
どうしようもない男に嫁いだ女がある日意を決して出ていく。
そして、帰らぬ妻を次第にあきらめながら、少しずつ我が身の姿を振り返る。
この家に初鰹が送られてくる。江戸では高価な代物。これを惜しげもなく
長屋の皆の衆に振舞う男。
遠くで一人で生きてきた元妻が送っていた初鰹。
この二人の再開は?
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