○ 株式の大量保有報告について、川崎市のテラメント(株)(H19.11.2設立)なる会社の虚偽報告が話題となっています。例えば、同社のソニー株取得の報告書を見てみましょう。
発行済株式 10億株の51% 511百万株を取得 単価 5210円 取得資金は、2兆6648億円であり、その内訳として、自己資金 0円 全額借入金としています。
まあ、嘘八百とすぐにわかります。
○ この大量保有報告書の様式を見て気になることがあります。それは提出者(大量保有者)の概要の情報が少なすぎることですね。個人の場合なら、住所、氏名、連絡先ぐらいで良いでしょう。それで誰か特定できますからね。しかし、法人の場合の情報があまりに不足しています。特にファンドの場合、誰が主な出資者なのか実質投資家なのか、重要な情報がありません。
開示情報は以下:法人の名称、住所、設立年月日、代表者氏名、代表者役職、事業内容、連絡先(担当者&電話番号)
○ これだけども、一応それなりに名前の知れた日本の会社なら、どんな会社かわかります。WEBも普通は持っているでしょうから、まあWEB情報が真実正確かどうかはともかく、WEBをチェックすれば提出者(=大量保有者)の概要は分かります。特に問題は、外資系ファンドです。どこの誰かわかりません。
○ 例えば、ブルドック等でお騒がせのスティールパートナーズの保有報告を見てみましょう。(2007/11/27提出 保有報告)
・表紙:氏名 弁護士 森 博樹 (渥美総合法律事務所)&その住所
・提出者:法人(その他リミテッド・パートナーシップ)
・名称:Liberty Square Asset Management, L.P. (&住所:Delaware)
・設立:H10.5.13
・代表者氏名;M.T.J.C.,Inc. (海外では個人ではなく会社も代表者になれる場合が多い)
・代表者役職:ジェネラル・パートナー(GP)
・事業内容:投資顧問業
○ これだけの情報では、どこの馬の骨かわかりません。どうもスティールは、私募の特定少数の投資家の資金を運用しているようですが、誰がファンドのマネッジ・投資の意思決定をしているGPなのか、どれだけの資金規模のファンドか、ファンドの資金提供者は誰なのか不明です。
○ スティールのリーダーというリヒテンシュタイン氏が、日本にきて「私は日本の経営者を教育する」等、横柄・傲慢・不遜な態度の会見をしたのが思い出されます。東京高裁が「企業価値、株主共同の利益を毀損する濫用的買収者」と認定しました。当然です。
○ ファンドでも、カルパース(米国カリフォルニア州公務員年金基金)等ならまだ労働者の年金を長期的な視点で運用して、運用方針もしっかりしていますので、まあ外国の投資ファンドですが、外国の投資ファンドのお金も日本の資本市場に入ってこないと、株式市場も低迷(私の株式投資も長期低迷)しますので、仕方がない感じです。
○ ともかく、ファンドの場合は、そのファンドの氏素性、誰が資金を出しているのか、実質投資家が誰なのか、そのファンドの概要をわかるように記載させるとか、ファンドの概要を説明しているWEBのURLを記入させるとか、もう少し情報の充実が必要なのではないでしょうか。
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