○ 私は時々大企業等の法務部の人とやりとりすることがあります。契約書作成の時などが多いですね。そのとき気になることがあります。勿論、皆さんがそうだとは言いません。優秀な人も多いとは思いますが。
・ 一般的な特徴は、①まず、タイムリーな返事が来ない。②細かいことに拘る。③殆ど意味のないことを書きたがる。等でしょうか。
・ ともかく、スピードが遅いですね。スピードという重要な競争力が無く、知的ワークの効率性と言う点で、効率を上げようとする意識・向上心も乏しい、更に法務部というのは社内の営業等にたいするサービス機関ですが、サービス精神も乏しい場合も多い。役所化・官僚化している場合も多いですね。ひどいのになると、「法律的に言いますとか。諸説がありまして」等と言って適当なこと言ってごまかす人もいます。
○ 最大の欠点は、適切にあるいはタイムリーに返事が来ないことです。簡単な契約書作成でも、直ぐに1-2週間の時間がたってしまいます。読んでコメントするだけでも、すぐにはしません。契約書を読んで、誤りはないのか、法律的に重要な漏れはないのか、いろいろ頭を巡らします。何度も時間をかけて、一生懸命考えた末、「もしもの場合等とか」の条項を入れます。しかし、こんな条項はめったに発動されることはありません。つまり時間をかけて考えた条項などは滅多に使われません。これ無駄だと思いませんか?トラブルは、それなりに起こるかもしれませんが、大半は営業が交渉で解決します。裁判になるケースなど件数的には極めてまれです。
○ また細かい事やあまり意味の無いことを記載することもあります。例えば、英文の契約で言えば、Headings/Notice等、決まり切った文言を追加したりします。弁護士もこんなくだらない文言を、いろいろ追加するときがあります。まあ、弁護士の場合は、報酬稼ぎというつまらない目的もあるかもしれませんが。あるいは、「知的財産」とは何かとかの定義を書いたりします。添付に例えば契約の目的である特許権や著作権等特定しているのにですね。
○ 法務部の人は、例えば契約書で「納期限遵守の条項」等を記載しますが、契約書のドラフト作成作業自体タイムリーに行っていない事が多いですね。また、何時までに行うという回答もしないケースも多いですね。私に言わせれば、「基本的姿勢・態度がなっていない」ということです。確かに、ある程度の経験も必要です。新米の人などは自分で抱えてほったらかしにせず、周りの先輩などにもお世話になって、きちんと対応するようにして欲しいですね。
○ 契約書で重要なことは、ほんの2-3条です。それと添付書類に開発内容や代金支払時期などを書く場合は、これも重要ですが、別にこれは法務部が作成する契約文書ではありませんね。営業が決めてきます。契約は大抵類型化していますから、それ程頭を使わなくても作成できます。ライブラリをきちんと整理しておけばコピー&貼り付け、&多少の修正で殆ど作成出来ますし、それで十分です。一応出来上がったのを何度も考えても、そんなにかわるものでもありません。所詮完璧な契約書はないし、完璧にしようとして、いたずらに時間を浪費するのは避けて欲しいと思います。
○ 例えば、下請けへの発注契約など、下請側では、原材料を手当したり、生産計画を立て人員配置計画も立てています。契約書が出ないからと言って製作開始を遅らすわけには行きません。納期の厳守も求められます。法務部の業務遅延により、発注時の書面交付義務が遅延するときがあります。これは下請法違反ですね。法務部が、法律を遵守しましょうねという契約を書きながら法律違反をする例も有るのです。
○ 私は、知的労働者の生産性・効率性向上が必要だと思いますが、そういった意識が最も希薄であり、工夫が少ないのが法務部だと思っています。