まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

金融資産発生の認識と未公開株投資

2016-02-20 23:52:08 | M&A
○ 企業会計基準委員会が制定している金融商品に関する会計基準では、private equityの投資をしている人にはおかしな条項と思われる規定がありますね。「金融資産の契約上の権利又は金融負債の契約上の義務を生じさせる契約を締結したときは、原則として、当該金融資産又は金融負債の発生を認識しなければならない」また、これを受けて実務指針では「有価証券の売買契約については、約定日から受渡日までの期間が市場の規則又は慣行に従った通常の期間である場合、売買約定日に買手は有価証券の発生を認識し、売手は有価証券の消滅の認識を行う。」としています。

○ こういった規定があるので、杓子定規な会計士が、契約締結日に株式取得の認識をしろとか言ってきますね。困ったものですね。「市場の規則」つまりT+2とか、T+3で、日本の株式はT+3即ち、売買約定日を入れて4日目に自動的に決済しますね。金融商品取引所で取引される金融商品とprivate equityとは性格を全く事にするものです。

○ M&A等で、株式取得契約を締結しても多くの前提条件(Conditions Precedent)を入れます。それを満たせばClosing Dateに決済が行われます。この会計基準・実務指針の前提とは全く違いますね。会計基準・実務指針は、優秀な公認会計士や学者先生等が集まって制定したものですね。でも、上場している金融資産・有価証券だけしか念頭に置いてない視野の狭い人が決めたルールではないでしょうか。基準作っても、その前提条件をきちんと記載してほしいですね。

○ 海外では、例えば中国の合資会社・有限公司等の持分取得契約を締結しても、この契約では効力発生しないですね。中国は審査規制機関の承認日、これも2通りの解釈があり、新しい批准証書の発行日なのか、新しい営業許可証の発行日なのか場所によって批准証書が出れば、ほぼ自動的に営業許可証を出す都市と別々に一応審査するところもありますね。また新興国では、規制当局の承認などが必要な場合もあります。外資規制で許認可の必要な株式・持分取得などもあります。

○ 企業会計基準委員会の会計基準や実務指針は、金融商品の会計基準・処理を詳細に規定していますが、どうも作成している人は、別世界があることにも気を配ってほしいですね。
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