まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

Sweep Service Agreement – 借入金利削減方法

2020-05-11 08:11:09 | 商事法務
〇 例えば、米国に複数の子会社を持ち、それぞれが事業を行っているとします。各企業は、日本の親会社の保証を得て、邦銀の支店より借り入れをし、また返済をします。しかし、それぞれの企業はCash Flowが違います。余剰資金が2か月あればそれを他のグループ企業に貸し付けて金利を稼ぎたいと思うでしょう。このオペレーションがグループ内で効率よく行えば、当然グループの銀行への借入金利の支払額を少なく減らすことができます。地域統括会社(RHQ)をもっておれば、RHQがこのオペレーションを行えば良いのですが、当然専門家も必要ですし、そのオペレーションを行うPCやソフトウェアが必要です。
でも、銀行のハード・ソフトを利用すれば、銀行に口銭を支払う必要がありますが、それでもグループトータルとしては金利コストを少なくすることが出来ます。また、資金の借入れも、親会社の保証の下、RHQが一括してIntra-group Cash Managementを行えば手間も省けます。個々の子会社でもCash Managementの手間が省けますね。

〇 日本の銀行が系列証券会社と組んで行っている「スウィープサービス」とは、銀行口座と証券会社の証券口座間で資金を自動的に振替え、設備投資の待機資金も自動的に比較的安全な投資商品に運用できるというサービスですので、上記のSweep Serviceとは少し違います。銀行から見れば、銀行のハード・ソフトをお客様に利用してもらってService Fee収入を得るということで、同じような「Service Agreement」という名称が付けられていることが多いと思います。

〇こういったサービスの利用目的は、グループ企業内で(1)有利子負債構造の最適化、(2)金融費用・利払いの低減、(3)資金流動性の確保、(4)資金移動の可視化によるガバナンス強化、(5)事務運営の効率化ですね。具体的には、RHQは、当然自分の預金口座を持っていますが、これとは別に、この銀行サービスの契約を銀行と締結して、Intra-group Cash Management用の口座を銀行に開設します。個々の子会社は、この契約に参加するApplicationを出して、銀行が自動で資金過不足調整をすることを依頼すればいいのですね。
このSweep Service Agreementは、大きく分けて以下の部分からなります。①Cash Managementの原則、②Cash Managementのoperation procedure、③これに参加する 子会社のParticipation ApplicationのForm, ④それと変更が生じたとき子会社へのNotice of Change of the Planと変更承諾書ですね。尚、RHQとはService Agreementの変更契約書となります。

〇 基本的には通貨としてはUS$が多いですね。別に、米国でなくてもSingaporeではUS$で預金・借り入れ可能ですし、US$での決算もできますね。その他、東南アジアに複数の子会社をもっている場合は、各国で通貨が違いますので、少しやりにくいかもしれません。しかし、銀行の中には、各国の企業間との間でNettingのサービスを行っているところもあるようなので、各銀行と話して金利コスト削減をしたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする