○ 日本では、現物出資を行うには、原則は裁判所の選任する検査役の調査ですね。外国では、その価値について監査人の証明書等を要求しているところもあるようですが、単なる説明だけでも大丈夫の国もあるようです。現物出資のメリットとして、資産を出資して株式を取得する事ですが、資産の価格と言うのは、人によって判断が違いますし、評価会社を起用しても、誰がその評価会社の報酬・費用を負担するかによっても違いますね。評価会社が、お客さんの意向を忖度するのですね。あるいははっきり言うお客の場合は、低い(あるいは高い)価格の方が良いんだよ等言われると、どうしてもその言葉に影響されますね。勿論、現物出資の受入会社が、現金増資して、そのお金で資産を買えば、同じ結果になるのですけども。
○ 現物出資契約(Contribution Agreement)は、既存企業が、一部部門をspin offして、他社と合弁会社を作る時などに利用できるのですが、日本では検査役の調査などがネックになり、あまり見られませんね。また、国境を超える資産譲渡をして株式・持ち分を取得というのも難しいですね。特に資産が不動産の場合は、動かせませんね。中国では、土地の使用権を現物出資することも昔は結構ありましたが、二束三文の土地にバカ高い価格を付けて現物出資し、日本側には、お金(cash injection)を出させるのもよくありましたね。最も、土地を現物出資して、持分取得ではなく、賃料を20年間支払えという合作という方式もありますね。尚、現物出資=Contribution in kind, 現金出資はCash Contributionで、両方とも実はContribution Agreementなのですが、増資引受等の場合は、株式取得が前面に出ますのでContribution Agreementとは言わないようですね。
○ 今回は、米国で一般的な現物出資(資産・負債)契約の条項、及び日本企業もよく使う、株式・持ち分の適格現物出資(簿価⇒簿価、即ち課税の繰り延べ)などについて述べてみましょう。
1) 米国の現物出資契約で、資産・負債を出資する場合の条項では、Contribution and Assumptionの内容を記載します。そしてExhibitにContributed Assets、Excluded Assets、Assumed Liabilities、出資者がRetainする Liabilitiesを記載します。負債も承継しますので、資産マイナス負債=純資産で、これを株式にして出資者に割り当てるのですね。こう書くと、米国でAsset DealのM&Aをされた人ならすぐわかりますが、これはasset dealの書き方と同じですね。ただ、その対価をお金でもらうのではなくて株式でもらうのですね。
2) Considerationは株式ですね。しかし、お金と株式の組み合わせも時々あります。
3) Closing & Closing Dateを決めます。現物出資の実行日ですね。
身内の企業間の現物出資契約なら、上記に少し一般条項を加えておけばいいのですが、あまり親しくない企業の場合には、通常のM&Aと同じ条項が入りますね。即ち、以下です。
4) 資産提供者(売主)のRep & Warranty ですね。20-30項目ぐらいを記載します。契約締結日&Closing現在、真実正確という条項ですね。
5) 買主のRep & Warrantyも当然入ります。
6) 資産と負債を譲渡するということは、それらを使って事業を継続して行うということです。従い、従業員の雇用契約を承継することもあります。ということは、年金をどうする、その他のBenefitはどうするかも決めないといけません。これが大変なんですね。ということは、asset dealで、従業員を承継するのと同じなのですね。
7) Rep & Warrantyが入れば、当然Indemnification条項が入ります。またClosing DateまでのCovenants等も入りますね。
○ 適格現物出資では、既存の子会社の株式等を、新設の地域統括会社等に移しますね。この際の要注意は、中国等の子会社の持分を新設の傘型(投資)公司に移す場合ですね。中国では、ご承知の通り対象会社の持分が増えておれば、10%のキャピタルゲイン課税が発生します。そのキャピタルゲイン課税をなくし、簿価⇒簿価で譲渡できる特例が、中国でもあるのですが、流石守銭奴の国の中国ですから、この課税の特例を利用するには、種々の書類の作成、税務局への提出・承認が必要ですね。相変わらず、中国は手続きが、米国などの3-5倍かかりますね。
○ 現物出資契約(Contribution Agreement)は、既存企業が、一部部門をspin offして、他社と合弁会社を作る時などに利用できるのですが、日本では検査役の調査などがネックになり、あまり見られませんね。また、国境を超える資産譲渡をして株式・持ち分を取得というのも難しいですね。特に資産が不動産の場合は、動かせませんね。中国では、土地の使用権を現物出資することも昔は結構ありましたが、二束三文の土地にバカ高い価格を付けて現物出資し、日本側には、お金(cash injection)を出させるのもよくありましたね。最も、土地を現物出資して、持分取得ではなく、賃料を20年間支払えという合作という方式もありますね。尚、現物出資=Contribution in kind, 現金出資はCash Contributionで、両方とも実はContribution Agreementなのですが、増資引受等の場合は、株式取得が前面に出ますのでContribution Agreementとは言わないようですね。
○ 今回は、米国で一般的な現物出資(資産・負債)契約の条項、及び日本企業もよく使う、株式・持ち分の適格現物出資(簿価⇒簿価、即ち課税の繰り延べ)などについて述べてみましょう。
1) 米国の現物出資契約で、資産・負債を出資する場合の条項では、Contribution and Assumptionの内容を記載します。そしてExhibitにContributed Assets、Excluded Assets、Assumed Liabilities、出資者がRetainする Liabilitiesを記載します。負債も承継しますので、資産マイナス負債=純資産で、これを株式にして出資者に割り当てるのですね。こう書くと、米国でAsset DealのM&Aをされた人ならすぐわかりますが、これはasset dealの書き方と同じですね。ただ、その対価をお金でもらうのではなくて株式でもらうのですね。
2) Considerationは株式ですね。しかし、お金と株式の組み合わせも時々あります。
3) Closing & Closing Dateを決めます。現物出資の実行日ですね。
身内の企業間の現物出資契約なら、上記に少し一般条項を加えておけばいいのですが、あまり親しくない企業の場合には、通常のM&Aと同じ条項が入りますね。即ち、以下です。
4) 資産提供者(売主)のRep & Warranty ですね。20-30項目ぐらいを記載します。契約締結日&Closing現在、真実正確という条項ですね。
5) 買主のRep & Warrantyも当然入ります。
6) 資産と負債を譲渡するということは、それらを使って事業を継続して行うということです。従い、従業員の雇用契約を承継することもあります。ということは、年金をどうする、その他のBenefitはどうするかも決めないといけません。これが大変なんですね。ということは、asset dealで、従業員を承継するのと同じなのですね。
7) Rep & Warrantyが入れば、当然Indemnification条項が入ります。またClosing DateまでのCovenants等も入りますね。
○ 適格現物出資では、既存の子会社の株式等を、新設の地域統括会社等に移しますね。この際の要注意は、中国等の子会社の持分を新設の傘型(投資)公司に移す場合ですね。中国では、ご承知の通り対象会社の持分が増えておれば、10%のキャピタルゲイン課税が発生します。そのキャピタルゲイン課税をなくし、簿価⇒簿価で譲渡できる特例が、中国でもあるのですが、流石守銭奴の国の中国ですから、この課税の特例を利用するには、種々の書類の作成、税務局への提出・承認が必要ですね。相変わらず、中国は手続きが、米国などの3-5倍かかりますね。